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POCO 「PICKIN' UP THE PIECES」     1969

 ポコのデビュー・アルバムです。彼らの音楽を一言で「カントリー・ロック」と
呼ばれてますが、カントリー・ミュージックをベースにしてるかというと、この1stでは
それほど深く掘り下げてるわけでもなく、ラスティ・ヤングのペダル・スティールや
メンバーのハーモニー・ワークにカントリー臭を感じる程度です。

 一番カントリーぽいサウンドになってるのが「Tomorrow」で、メロディ・ラインや
ペダル・スティールなども上手に処理されてるのですが、途中からブラスを入れるなど、
あくまでもロック・サウンドにこだわった音作りに徹しています。

 後にケニー・ロギンズとロギンズ&メッシーナを組むジム・メッシーナは
曲作りには頭角を顕わしているもののまだ存在感が薄く、
この段階ではリッチー・フューレイ&ラスティ・ヤングのバンドといえるでしょう。

 唯一R&B調のノリの「Nobody's Fool」でのジムのテレキャスとラスティのオルガンが
織り成すサウンドも奇をてらったような感じで、たしかに面白いですが、
クライマックスはやはり「Pickin' Up The Pieces」~「Grand Junction」でしょう。
前者のハーモニー・ワーク、そして後者のツィン・ギターは当時の数多いカントリー・ロックの
バンドの中でもピカイチですよ。多分ラスティほどの腕達者なスティール・プレイヤーを
擁したバンドはなかなか無かったのではないでしょうか。そのラスティが主導権を握る
後年のアルバムもかなり好きですが、このデビュー盤のフレッシュな初々しさも魅力です。