後に「世界で最も偉大で無名なギタリスト」というバカにしたような代名詞を
与えられてしまうダニー・ガットン、もっとも素晴らしいギタリストであるから
そのような称号を頂いたのでしょうが、ホント、驚愕的なテクニシャンです。
様々なスタイルを消化したギタリスト・・・一言で言えばそんなヒトでしょうか。
カントリー、ブルーズ、ロカビリー、ジャズ、スィング...
とにかく「技の総合商社」的なギタリストで、ジェフ・ベックやアルバート・リー、
ロイ・ブキャナンあたりを連想しちゃいます。とくにロイとは懇意にしていたらしく、
ロイと似たような最期を終えたのもよく語られるハナシです。
本作は彼のメジャー・デビュー・アルバムで、全曲インストです。
(後の作品ではヴォーカリストも加えていますが)
スライド・プレイも披露しちゃうビーチボーイズの「In My Room」、
そしてバンジョーもかなりの腕、「The Simpsons」、
アコ・スライドとテレ・スライド両方聴けちゃう「Slidin' Home」、
テレ特有の「パキパキ・トーン」で弾きまくるスロー・ブルーズ「Blues Newburg」、
その他ほとんどがブラス・セクションを含んだ華やかなサウンドで、
まさに「テレマスター」と呼ぶにふさわしいスゴ腕ギタリストです。
メジャー・デビュー以前のアルバムや、ブルーノートからリリースしたジャズ・アルバムなど、
聴いてみたいのがたくさんあるけど、メジャー・レーベル以外はなかなか入手困難で...。