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NEIL YOUNG 「FORK IN THE ROAD」     2009

『ロック・シーンのゴッドファーザー:ニール・ヤングの
「クローム・ドリームス供廖07)以来、1年半振りのミュー・スタジオ・アルバムは
変革を求める現代社会を牽引するメッセージに溢れた力作!』

 本作のテーマは「Linc Volt」、つまり電気とバイオ・ディーゼルの併用型のエコ・カー
のことで、彼の愛車、リンカーン・コンチネンタルの59年型を大改造したという、
TOYOTAのプリウスやHONDAのインサイトも真っ青のハイブリッド・カーです。

 ご存知の通り、HONDAのインサイトのシルエットはプリウスそっくり、
結局、空力を追及するとあのような形に落ち着く?
嗚呼、それなのにそれなのに、ニール様は「空気抵抗」や「低燃費」などを
一切意識してない時代のリンカーンをエコ・カーに改造しようってんだから、
それも新車一台買えるくらいの改造費をかけて...。

 当然収録曲の詞の「She」とか「Her」は、愛車のリンカーンだと解釈してもいいかな。
しかし、ニール様、リンカーンのようなでかいボディをエコ・カーに!?
日本車のようなコンパクトなボディでさえ、パワーを追求すれば燃費が犠牲に、
燃費を追求すればパワーが犠牲に、つまり燃費とパワーは両立し難いファクターなのに、
あえてその難題をアメ車でやろうとしてるところが凄い!というか金持ち!!

 ま、大義名分はどうであれ、現行ツァー・メンバーでレコーディングされた本作、
どうもベン・キースの露出度が少なくて、初代ストレイ・ゲイターズからのファンには
ちょっとモノ足りない?

 曲単位で一番の仕上がりは「Just Singing A Song」だと思うのですが、
自分の唄で常に何かを訴えようとして来たニールが
「ただ歌を歌ってるだけじゃ世の中なんて変わりやしない」と唄ってるのがちょっと意味深です。
何度も繰り返し聴いてますが、どうも本意がわかりません。(自分の理解度の不足です)

 また、スローな「Off The Road」、なかなかベン・キースのスティールが登場しない、
と思ってたら、こんなところで、ハモンドなんか弾いちゃったりしてるんですよね。
決して上手くはないんだけど、かと言ってさほど味もなし...。
と思ってたら弾き語りの「Light A Candle」で、スティール登場!
やっぱ、ベン・キースはこうじゃなきゃ!

 全曲一貫して「LINK VOLT」のことを唄ってますが、唄うだけじゃ何も変わりやしない、
と、リンカーンを改造しちゃったニールさん、さすがですな。
ワタシもアメ車所有したことあるけど、国産車では絶対に味わえないあの「ドッカーン!」
というパワー感にあこがれてアメ車に乗るんだけど、その魅力をスポイルしてまで
エコ・カーに改造しちゃうニールさんでした。あ~もったいない...。