『フラナガン・トリオをバックに陰影美が漂うブルージーなギター・ワークが
随所に溢れるバレルの記念すべきプレスティッジへの第一作!』
初リーダー・アルバムはブルー・ノートからの「INTRODUCING KENNY BURRELL」でした。
続くリーダー・アルバムがプレスティッジからの「BLUE MOODS」です。
どちらも同郷(デトロイト)のトミフラの手を借りて制作されたアルバムです。
本作は「Don't Cry Baby」のためにある、と書いたら大袈裟でしょうか?
ブルージーなバレル、淡々と吹くバリトン・サックスのセシル・ペイン、
なぜか安心しきって聴けるトミフラのピアノ、いずれもかなりリラックスしてプレイしてる様子です。
後半のバレルのソロもどこか饒舌に聴こえ、バリトン・サックスとからむテーマも
なかなかのものです。
もうひとつの聴きモノはコール・ポーターの「All Of You」かな。
イントロからテーマの最初までは無伴奏ソロか?と思わせますが、ところがどっこい、
リズム陣が入ってくるあたりは「おぉ~!」て感じ。
唄心という点ではトミフラの右に出る者はそういないはず。エルヴィン・ジョーンズの
ブラシ・ワークと併せて軽快に流しますが、エンディングでテンポが落ち、
メロー&ムーディーに終わるところが憎い!ですよね。
しかしこのアルバム、表ジャケにはセルフ・タイトルの「KENNY BURRELL/PRESUTIGE 7088」
としか記されてなく、裏を見ると、「BLUE MOODS KENNY BURRELL」となっており、
やっぱり正式名称は「KENNY BURRELL」か?