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FOCUS 「SHIP OF MEMORIES」    1973-75あたり    

 邦題は「美の魔術」。
77年にギタリストのヤン・アッカーマンが脱退、その後にリリースされた音源で
内容は70年代中盤あたりまでのアウト・テイク集です。
アウト・テイクの寄せ集めだからアルバムとしての統一感はまったくありませんが、
個々の小品はかなりいいです。(音は悪いですが)

 1曲目の「P's March」からしてかなりポップな曲ですが、ヤンのギター・ソロの部分は
テンポも変わり、ヤン独特のメロディアスなギターが聴けます。お得意のヴァイオリン奏法も
活きてます。

 それにしても「Focus 后廚任離轡鵐擦肇筌鵑離クターブ奏法、この哀愁感は何だ!?
と思えば、「Out Of Vesuvius」のようなジャズ・ロック風のナンバーでのギターも
捨て難く、ジャズやクラシックなども守備範囲のヤンのギターはやはり神業です。

 ヤン脱退前は、フルートのティッジス・ファン・レアーと、かなり険悪なムードだった、
というハナシを聴いたことがありますが、そんな状況をまったく感じさせない内容で、
ハッキリ言って驚き!です。曲によってはティッジスとヤンはまったく別々にレコーディングを
進めていた...というハナシも聞いたことがありますが。

 メロディアスなナンバーとジャジーなナンバーの対比が面白いアルバムで、
ティッジスとヤンの音楽性の違いを象徴しているような内容です。

 名曲「悪魔の呪文(Hocus Pocus)」のU.S.シングル・ヴァージョンも収録されていますが、
どのパートも端折りすぎで、魅力半減です。(笑)

 さて、次回の「70’s」は、DEREK & THE DOMINOSの「IN CONCERT」を予定してます。