ヴァン・ダイクはワーナーの社員だったから、このような自由奔放な、
売上を度外視した(?)アルバムを出せた、という説もあるくらいです。
タイトルも意味不明で、直訳すると「ヤンキーの死神のガランガランという音」てな具合です。
クレディットを見ると、ヴァン・ダイクのオリジナルはタイトル曲のみで、
あとはすべてカリブ地方の曲(たぶん)のカヴァーのようです。
スティール・ドラムに導かれたカリプソ風のアルバムに仕上ったわけですが、
その意図は? まさに、やる事なす事「???」のヴァン・ダイクならでは、の世界です。
わずか30分にも満たない作品の中にカリブの風が吹き抜けていくようです。
このトロピカルなムードに、果たしてシンセサイザーは必要だったのか?
と思っちゃうくらい、ブラスやスティール・ドラムの存在感が大きく、
ある意味、広義での「ワールド・ミュージック」のハシリと捉えることができるのでは?
そんなトロピカル・ムード満点の中で、
ピアノ弾き語りで唄ってくれる「You're A Real Sweetheart」などが挿入されていると
聴いてるこちらもハッとしちゃいますよね。
本作のコンセプトであるカリプソ風のサウンドは、ブラスや女声コーラスなどが利いてて
どれも楽しく聴けます。特に「Tribute To Spree」でのロバート・グリーニッヂの
スティール・ドラム・ソロは圧巻です。
次回の「70's」はフォーカスの「SHIP OF MEMORIES」(1973-75あたり)を予定しています。