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V.A. 「TOMMY - AS PERFORMED BY THE LONDON SYMPHONY ORCHESTRA                      & CHAMBRE CHOIR WITH GUEST SOLOISTS」     1972

 ミュージカルのような、ロック・オペラのようなこの「TOMMY」、いくつもヴァージョンがあり、
本作はオーケストラをバックにロック界のスーパー・スターたちをシンガーとして起用し、
オペラ形式で制作する、という企画です。

 参加ミュージシャンはザ・フーの面々(なぜかキース・ムーンは不参加)をはじめ、
スティーヴ・ウィンウッド、リッチー・ヘヴンス、リンゴ・スター、ロッド・スチュワート、
サンディ・デニー、マギー・ベル、メリー・クレイトンらが名を連ねています。
オーケストラはロンドン交響楽団です。

 本作では男性シンガーよりも女性シンガーのほうが、俄然、存在感があり、
特にマギー・ベルやメリー・クレイトンの超迫力ヴォーカル、
そして正反対に清楚なサンディ・デニーと、適材適所ですね。
それに比べ男性陣はロジャー・ダルトリーとロッド・スチュワートはまぁいいとして、
スティーヴ・ウィンウッドの精彩の無さはまるでミス・キャストと思えるほど。

 看護婦役のサンディ・デニーが唄う「It's A Boy」、サンディ自身も技術学校を中退し、
看護婦を目指したそうです。技術学校の同窓生のピート・タウンシェンドに誘われて
「TOMMY」に出演した、といういきさつがあります。ここではハープをバックに
透明感のある唄声を聴かせてくれます。

 一方、「女版ポール・ロヂャース」とか「スコットランドのジャニス」と言われてたマギー・ベル、
トミーの母親役なのですが、「1921」ではトミー(ダルトリー)、父親(ウィンウッド)と3人で
唄ってますが、この唄い方、吠えてます。(笑)「強そうな母」ですね。(笑)
「Tommy Can You Hear Me」~「Smash The Mirror」はさらにパワフル! 
今回の配役で一番ハマッてるのではないでしょうか。

 迫力といえば、このヒトも負けてません、メリー・クレイトンの「The Acid Queen」、
マギー・ベルが「女版ポール・ロヂャース」なら、このヒトは「女版クリス・ファーロゥ」って
ところですかね。

 アルバムを締めくくるのはもちろん「See Me, Feel Me」ですが、やはりこのヒト意外に
あり得ません、ロジャー・ダルトリーです。ここまで迫力揃いだと、キース・ムーンの
迫力ドラムが欲しくなっちゃいます。(笑)