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EAGLES 「ON THE BORDER」     1974

 前期イーグルスの過渡期的な作品です。
デビュー・アルバム「EAGLES」、2ndアルバム「ならず者」同様に、グリン・ジョーンズのもと、
ロンドンでレコーディングが行われたのですが、途中からプロデュースがビル・シムジクに替り、
スタジオもLAに変更、また、途中からドン・フェルダーがギタリストとして加入...
といったいろんな要因が重なり、サウンドも徐々にハードな側面を覗かせ、
そのせいかどうか、ウェスト・コースト指向が強かったバーニー・リドンが脱退することになります。

 内容もどことなくまとまりに欠け、バーニーが唄うグラム・パーソンズ賛歌「My Man」がある、
と思えば、ファンキーな「On The Border」、ウェスト・コースト・ロックの「James Dean」に
トム・ウェイツの「Ol'55」が続く...といったように。

 アサイラム絡みでいち早くトム・ウェイツの「Ol'55」を取り上げたイーグルスでしたが、
作者であるトムはあまりお気に入りではないようで、その後もいろんなアーティストが
この曲をカヴァーしましたが、どれもイーグルス的な解釈のものでした。
トムには印税がたっぷり入って来たはずなんですが、やっぱり気に入らないモノは
気に入らないんでしょうね。(笑)

 個々の楽曲や彼らを取り巻くいろんな要因を考えると、とらえどころのない作品のようにも
思えますが、制作面やメンバー間の過渡期の作品として十分楽しめるアルバムです。