「PICTURES AT AN EXHIBITION / BOLERO」 1975
ラヴェル作「ボレロ」とラヴェルの編曲による「展覧会の絵」が収録されています。
このオーマンディというヒト、気分が乗らないと事務的に音楽を処理してしまう、
という欠点を持つ指揮者だそうです。この「展覧会の絵」は彼の2度目の録音であり、
旧盤はその「事務的な凡演」だったそうです。(ワタシは未聴です)
この75年ヴァージョンは、フィラデルフィアの常任に招かれてから39年、
年齢も76歳に達し、円熟ぶりが覗える好盤となりました。
4つ目の短調で極めて寂しげな「プロムナード」に続いて、クラリネットによる
ユーモラスな「卵のからをつけたひなの踊り」の陰から陽に転じるところが好きで、
市場の喧騒感をあらわした「リモージュの市場」や「バーバ・ヤーガの小屋」を経て
クライマックスの「キエフの大門」へと雪崩れ込んで行きます。
この「バーバ・ヤーガの小屋」~「キエフの大門」のつながりもまたこの組曲の
聴きどころでしょう。そして聖歌隊を思わせるようなメロディと鐘楼の音に
プロムナードの旋律が登場し、組曲の最後を飾るにふさわしい壮麗なサウンドで
幕を閉じます。
いやぁ、これを聴いちゃうと、ELPが霞んじゃいますよ。(笑)