『奇跡のテキサス・ブルース・ギタリスト、SRV。
アルバム未収録曲を兄ジミー・ヴォーンが選曲した、正真正銘ラスト・アルバム。』
オリジナル・アルバムに収録されなかったテイクを集めたもので、
そもそもSRVの作品はLPを前提に収録時間を設定されているため、
時間的な制約ではじかれてしまったテイクです。
CDサイズの収録時間で制作されていれば、すべてオリジナル・アルバムに
収録されていたはずのテイクばかりです。
そんな中でもズバリ聴き所は「The Sky Is Crying」と「Little Wing」
でしょう。前者はエルモア・ジェイムズの作品ですが、SRVの敬愛する
アルバート・キングのヴァージョンでも有名です。
そして後者は彼の敬愛するもう一人のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの
作品。(知らない人はいないでしょう)SRVはこの曲をインストのみで
レコーディングしています。この1曲の中にジャジーで、ブルージーで、
そしてジミヘンを彷彿とさせるすべての要素が感じ取られ、
まさしくSRVの「集大成」と言ってもいいでしょう。
エリック・クラプトンやスティング、ギル・エヴァンスなどたくさんの
ミュージシャンがこの「Little Wing」をカヴァーしていますが、
やはりSRVのインスト・ヴァージョンが一番好きです。
彼の関知しないところで編集されたこのアルバム、でもさすがに
実兄のお仕事、見事です。