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大滝詠一 「ナイアガラ・カレンダー '78」     1977

 『大滝詠一が永年あたためていた最高の決定盤!!アルバムのカレンダー!』

 ナイアガラすごろくが付いています。(裏は福笑い)
 CDとは違い、アナログはジャケもカレンダー仕立てです。
 SIDE-Aが1月~6月、SIDE-Bが7月~12月にちなんだ構成で、
まさに聴くカレンダーです。

 SIDE-Aに針を落とすと、足音に続き、カレンダーをむしりとる音、そして
「明けまして (拍子木の音) おめでとうございます」のごあいさつ。1月は
「Rock'n Roll お年玉」
「♪お正月と云えば炬燵を囲んで、お雑煮を食べながらカルタをしてた...」の
はっぴいえんどの「春よ来い」の歌詞も飛び出し、にぎやかなロックンロールで
一年が始まります。

 後の「LONG VACATION」に入れてもおかしくないようなさわやかな歌や、
師匠お得意のもじりやパロディなど、どれをとっても素晴らしい構成です。

 B面ラストの「クリスマス音頭~お正月」も想像しながら聴くと抱腹絶倒!
イントロのオルガンが奏でる「きよしこの夜」に続き、「メリー・クリスマス!」
の掛け声と共に音頭のリズムに乗ってドンチャン騒ぎ。
音頭の合いの手が「キタサット」「アサナット」「ウミヨット」...
「アサナット」が「朝納豆」、「ウミヨット」が「海ヨット」か?と考えると
おかしくておかしくて...。
おまけに間奏は三味線が奏でる「ママがサンタにキスをした」とくれば、
う~ん、と唸らずにはいられません。

 このような隠し味がたくさん散りばめられている、「謎解き」のような
カレンダーです。「クリスマス音頭」のエンディングの除夜の鐘に続けて唄われる
「お正月」、唄うは "坂本八" と "トランク短井"、声色を真似て唄われています。

 少しだけ種明かしをしますと、プレスリー風、スペクター風あり、
リズムもロックンロール、メレンゲ、ニューオーリンズ、サーフ、演歌、ファンキー、
北欧風哀愁サウンド、音頭あり...で、ただのパロディではありません。

 あなたもぜひカレンダーをめくってみてください。