正直、名前も知りませんでした。
取り上げている曲にアントニオ・カルロス・ジョビンやエドゥ・ロボ、
ジョルジュ・ベン、ルイス・ボンファなどの名前が作者としてクレジットされており
それだけで衝動買いしたCDです。
実体は...というとブラジリアンではなく、仏人のシャンソン歌手そして
女優としても名を知られている人だそうです。彼女は再起不能かと思われた
交通事故から奇跡的なカムバックを果たし、本作がそのカムバック第一弾
となりました。
中味は仏語でのブラジリアン・ミュージック集。
「Adieu Tristesse」はジョビンの「フェリシダーヂ」
「La Ville Est La」はジョルジュ・ベンの「マシュ・ケ・ナーダ」
「La Chanson D'Orphee」はルイス・ボンファのあのオルフェですね。
「Pour Nous」はエリス・ヘジーナ(レジーナ)でお馴染みの
エドゥ・ロボの「アハスタオン」...てな具合で、
仏語のタイトルだけ見てるとちっともわかりません。
仏盤ゆえ、仏人のためのブラジル音楽集といった性格ですから
Alain Goraguerという人のアレンジなんかも奇をてらった所がなく、
仏語の響きが妙な味を出しています。
スキャットに続く仏語の「フェリシダーヂ」などを聴くと、「妖しげな魅力」
とまではいかないものの、どうもきれいに歌い過ぎで、「とりあえず歌ってみました」
みたいな出来。いろんな国籍の人がいろんな国、いろんな言語を歌う時代ですから
ま、これはこれでいいか。
それにしてもこの赤いジャケ写真は悪趣味ですな。
(上の写真はピンクぽいですが、実物は真っ赤です)