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「ISABELLE AUBRET」     1971

 正直、名前も知りませんでした。
取り上げている曲にアントニオ・カルロス・ジョビンやエドゥ・ロボ、
ジョルジュ・ベン、ルイス・ボンファなどの名前が作者としてクレジットされており
それだけで衝動買いしたCDです。

 実体は...というとブラジリアンではなく、仏人のシャンソン歌手そして
女優としても名を知られている人だそうです。彼女は再起不能かと思われた
交通事故から奇跡的なカムバックを果たし、本作がそのカムバック第一弾
となりました。

 中味は仏語でのブラジリアン・ミュージック集。
「Adieu Tristesse」はジョビンの「フェリシダーヂ」
「La Ville Est La」はジョルジュ・ベンの「マシュ・ケ・ナーダ」
「La Chanson D'Orphee」はルイス・ボンファのあのオルフェですね。
「Pour Nous」はエリス・ヘジーナ(レジーナ)でお馴染みの
エドゥ・ロボの「アハスタオン」...てな具合で、
仏語のタイトルだけ見てるとちっともわかりません。

 仏盤ゆえ、仏人のためのブラジル音楽集といった性格ですから
Alain Goraguerという人のアレンジなんかも奇をてらった所がなく、
仏語の響きが妙な味を出しています。

 スキャットに続く仏語の「フェリシダーヂ」などを聴くと、「妖しげな魅力」
とまではいかないものの、どうもきれいに歌い過ぎで、「とりあえず歌ってみました」
みたいな出来。いろんな国籍の人がいろんな国、いろんな言語を歌う時代ですから
ま、これはこれでいいか。

 それにしてもこの赤いジャケ写真は悪趣味ですな。
   (上の写真はピンクぽいですが、実物は真っ赤です)