A-1「Eat It」の冒頭で「The one and only, Ben Sidran!」
と紹介されるモントルーでのライヴ盤です。
バックにはトニー・レヴィン(b)、スティーヴ・ジョーダン(ds)、
スティーヴ・カーン(g)、マイク・マイニエリ(vib)、
マイケル・ブレッカー(ts)、ランディ・ブレッカー(tp)と
当時のクロスオーヴァー界の主要メンバーが勢揃い。
ベンのオリジナル3曲、あとは「I Remember Clifford」
「いつか王子様が」「Come Together」
オールスター・メンバーでの演奏の中、唯一A-3「I Remember Clifford」のみ
ランディ・ブレッカーとのデュオ。ランディのかなり丁寧に吹かれるソロが聴けます。
それにしてもベン特有のスウィング感、かなりジャズには精通していて
「Dr.Jazz」と異名をとるくらいの人ですが、ジャズ・ピアニストとは一味違う
独特のフィーリングがあり、B-1「いつか王子様が」では思わず踊っちゃいそうです。
と、ここまではかなりジャズぽいAOR路線といったところですが、
彼の真価が窺がえるのはオリジナルのB-2「Midnight Tango~Walking With The Blues」
でしょう。彼のトーキング・ブルーズ調の曲はまさに「ワン・アンド・オンリー」でしょう。
平坦な唄い方のトーキング・ブルーズに乗っかるマイケルのテナーと
それに続くベンのピアノはまさに圧巻です。
「洒落た感じのジャズ」という感覚でウケそうなアルバムです。