76年の「WHISTLING DOWN THE WIRE」以来、28年ぶりのスタジオ・アルバム。
クロスビーのご子息ジェイムズ・レイモンド(key)、ジェフ・ピーヴァー(g)を
中心に、ラス・カンケル(ds)、リーランド・スクラー(b)、ディーン・パークス(g)
らがバックを務めています。
クロスビー&ナッシュのハーモニー・ワークは相変わらず素晴らしく、
バックも派手なソロこそ無いものの、大人の演奏といった風情で、
二人を盛り上げています。
クロスビー&ナッシュというまったく違う個性が、ハーモニーをベースに
音楽を作り上げて行くわけですが、本作のように完全にバンド・サウンドに
なってしまうと、どうもクロスビーの個性が表に出にくくなってしまいます。
確かに得意のスキャットで唄う「How Does It Shine?」や
クロスビーらしい複雑なメロディをもつ「Charlie」やアカペラの「Samurai」
のような曲もあるのですが...。
「Michael」は96年に事故で亡くなったウィンダム・ヒルの超人テク・ギタリスト、
マイケル・ヘッジスに捧げられた曲で、90年代のCS&Nのアルバムにギターで
参加してたり、C&Nが彼の作品にコーラスをかぶせたりしてました。
DISC-2のラスト・チューン「My Country 'Tis Of Thee」は生前マイケルが
アレンジしたものです。
とにかく素晴らしいハーモニー・ワークがCD2枚にわたって楽しめる力作です。