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FAIRPORT CONVENTION 「TIPPLERS TALES」     1978

 『前作に続きトラッドへの回帰をより押し進めた
通算12枚目にして最後のスタジオ・アルバム。
アルコールにまつわる陽気でユーモア溢れる曲が多く、
リラックスした雰囲気のなかにも軽快で躍動感のある
サウンドが楽しめる。
本作のあとライヴ盤「FAREWELL, FAREWELL」の発表を
最後に解散を迎えた。』

 本作もトラッドが中心で、特に有名な「Jack O'Rion」に
オリジナルの小品をいくつかメドレーでつなぎ長尺にしていますが。
ここ最近になくスウォーブの唄声にも力強さを感じます。
ただ、長尺にした分、スウォーブのフィドルをフィーチャーしただけでは
もたないような感じもします。
同じくトラッドの「John Barleycorn」も原曲に忠実に演奏され、
この「麦の一生」をうたった作品は「アルコール集」にピッタリでしょう。

 パンク・ムーヴメント真っ只中、メンバー達も
世間で求められている音楽と、自分達がやっている音楽との
ギャップを感じつつ葛藤もしながら、苦悩の日々を過ごしたそうです。
結果的には、契約を残したまま、ヴァーティゴから解雇されたような
形で終えてしまいました。

 それにしても紙ジャケ仕様の復刻盤...歌詞カードも
アナログ盤仕様を縮小しただけなので、歳の割には目の丈夫な私でも
読めません...。(笑)ただ、トラッド物は物語性や
歴史上の出来事などを歌ったものが多いので、
訳詞がついているのはたいへんありがたいですね。