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FAIRPORT CONVENTION 「THE BONNY BUNCH OF ROSES」     1977

『サイモン・ニコルが正式に復帰、
デイヴ・スウォーブリック、デイヴ・ペグ、ブルース・ロウランドとの4人組となり、
レーベルもアイランドからヴァーティゴへと移籍して制作された通算11枚目のスタジオ作。
バンドとしても心機一転、初期にも通じるトラッド路線への回帰を見せた力強い作品。』

 前作「GOTTLE O'GEER」が不発に終わり、アイランドを追われる様去ったフェアポートですが、
ヴァーティゴ第一弾の本作は、トラッドを中心に構成され、
かなり聴き応えのある作品となりました。

 過去のアルバムにも収録されていた「長尺モノ」が彼らの魅力の一つですが、
本作におけるタイトル曲も12分に及ぶ力作ですが、
スウォーブリックだけが大きくフィーチャーされ、どうも起承転結的な
ドラマティックな盛り上がりに欠けるような気もします。
ただ、69年のアルバム「UNHALFBRICKING」にゲスト参加、
70年の「LIEGE & LIEF」より正式メンバーとなったデイヴ・スウォーブリックが、
R・トンプスンやS・デニー、ルーカス&ドナヒューらの相次ぐ脱退により
自ら屋台骨となってバンドを引っ張ってゆく姿は涙ぐましいものさえ感じられます。
そのスウォーブ作の「The Last Waltz」、メンバーが代わるがわる唄う
きれいなワルツで、ハーモニーもまとまった素敵なナンバーです。
またラストの「Royal Selection No.13」はスウォーブのフィドルを
フィーチャーした小曲集ですが、途中に「おもちゃの兵隊のマーチ」
(QP3分クッキングのテーマ)なども挿入され
楽しいダンス・チューンとなっています。