『トラッドとロック・ミュージックを見事に融合させたストローブスが、
リリカルかつドラマティックなサウンドで贈るブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックの傑作。
重厚なメロトロンが印象的な「ヒロインのテーマ」を含む彼らの代表的な一枚。』
過去にはサンディ・デニーやリック・ウェイクマンなども在籍していたストローブスですが、
紆余曲折を経て、リーダーのデイヴ・カズンズを中心に再出発しました。
本作にはトラッドやクラシックの香りが薄れ、プログレッシヴ・フォーキー・ロックといった印象を受けます。
特にアナログのB面に相当する「Hero And Heroine」から始まる6曲は、
まさにフォーキーなサウンドにメロトロンが違和感なく絡み、デイヴ・カズンズの楽曲を美しく、
時にはモノ哀しく装飾しています。
A面のデイヴ・ランバート作の「Just Love」のようなロック・スタイルの曲が間に挟まっていることで、
よりメリハリが出て、アルバム全体を退屈なものにさせなかったことが、
デイヴ・カズンズの永年培ってきた手法ともいえるでしょう。