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 JACKSON BROWN 「THE PRETENDER」     1976

 「LATE FOR THE SKY」に続く4作目。
妻の自殺や、曲作りの仕方を変えたことなどもあり、前作から2年あまりを要しました。
従来は始めに詩ありき、だったのですが、本作では曲が先行したとのこと。

 唄っている内容や唄い方には大きな変化はないと思うのですが、
曲を引き立たせるワン・ポイント効果が随所に見られます。
A-1「The Fuse」ではデイヴィッド・リンドレーが、
A-2「Your Bright Baby Blues」ではロウェル・ジョージがそれぞれスライドを弾いてますが、
アプローチの仕方が両者違うのが面白いです。
前者には全編で弾かせ、後者には間奏部のみで弾かせてます。
後者はピアノに加え、ビル・ペインのキーボードも入っているためでしょう。
ちなみに前者ではクレイグ・ダーギのピアノのみです。
このあたりの使い分けもジョン・ランドゥは上手いこと考えてます。

 残念なのはA-3「Linda Paloma」の中途半端さ。
テックス・メックス風のリズムを借りながら、ジャクスンのヴォーカルは全然ノリきれていない。
このあたりが、曲を先行した弊害で、とりあえず、メキシカン風の曲に後から歌詞をつけました、
といったところでしょうか。
同じ頃ライ・クーダーがこの辺りの処理を上手くやって成功したのを考えると、
やはりバック・グラウンドの違いか?と思わされます。

 しかし、本作でのコーラス隊、存在感ありますねぇ。
ボニー・レイット&ローズマリー・バトラー、J.D.サウザー&ドン・ヘンリー、
クロスビー&ナッシュ...本作でのジャクスン暗いから、少しでもコーラス隊で華やかにしないと。(笑)