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 「ONE MAN DOG」     1972

 短い作品がたくさん入ったアルバムです。
キャロル・キングも超多忙につき、キーボードはクレイグ・ダージーが担当。
いわゆるダニー・クーチー、リーランドースクラー、ラス・カンケル、
そしてクレイグ・ダージーの「セクション」です。

 レコーディングは自宅と、ロス、ニューヨークの3ヶ所で、
ニューヨークではマイケル&ランディ・ブレッカー、ロスではジョン・マクラフリンなどの
ジャズ・ミュージシャンが参加してます。

 前3作ではどこか「孤独感」とか「疎外感」みたいなものを感じさせるファクターがありましたが、
本作では「Don't Let Me Be Lonely Tonight」のように、カーリーがそばにいない寂しさを唄ってたりと、
どこか「幸せモード」です。

 目玉はやはりA-8「Don't Let Me...」でしょう。
マイケル・ブレッカーのサックスもハマってるし、何しろ幸せ一杯のジェイムズが、
今までとは違う意味での「寂しさ」を表現しているのですから。
(あのアルバート・キングもカヴァーしました)

 もうひとつ、マクラフリンがジェイムズのために曲を書き下ろしているのも
当時はビックリ!!でした。今でもいきさつはわかりません。
当時あの「火の鳥マクラフリン」がこんな繊細なギターも弾くんだ!と感心したものです。
(自身のアルバムでもアコギ・プレイはありましたがこれほど繊細には感じられなかった)

 当時はまだAORということばはなかったと思いますが、今聴くと「AOR」という趣きのアレンジもいくつかあるように思われます。