『故国カナダに捧げたピーターソンのオリジナル作品集。母国を愛する
心情ゆえに、豊かな詩情をたたえ、巧みな筆致で描かれる本作品は中でも
意欲作として知られる名盤だ。』
オスカー・ピータースンが生まれ育ったカナダの東部、とりわけフレンチ・カナダ
やカナディアン・ロッキーなどの豊かな自然と、それに反する空虚感を描いた
作品です。
A-2「Laurentide Waltz」のような美しい曲でのピアノ・タッチ、A-3
「Place St.Henri」のようなアップテンポな曲での躍動感溢れるピアノ、そして
唸り声も聞こえてきます。またA-4「Hogtown Blues」では大都会トロントの
にぎやかさと哀感をブルージーにプレイしてます。
レコード・ジャケは小麦を描いたもの(だと思う)ですが、カナダの平原を
描いたB-1「Blues Of The Prairies」と、続くB-2「Wheatland」での
広大な自然を想わせるスケール感は、まぶたに情景が浮かんでくるようです。
本作でのピアノは本当にどれも美しく叙情的で、それを支えるベースの
レイ・ブラウン、ドラムスのエド・シグペンらとの息もピッタリです。