『「ブラッド・マネー」は現実的な肉と骨なんだ。
嫉妬、怒り、人間の肉の輪・・・もっと肉体的なものなんだよ。・・・・・トム・ウェイツ』
本作は、2000年初演の舞台「ヴォイツェク」の音楽をアルバム用に録音したもので、
「不気味な御伽噺」風の前作「ALICE」とは違い、「現実的で冷笑的」な内容ともいえるでしょう。
殺伐とした歌が続く中で「Coney Island Baby」は
「あの娘は俺のコニー・アイランド・ベィビー」と歌われたのどかな歌で、
エンディングに「Innocent When You Dream」のピアノのフレーズが引用されており、
思わずニヤリ!!
サウンド的には「FRANK'S WILD YEARS」のヘヴィーなリズムに戻ったような曲もいくつかあり、
詩も難解で、CDを聴くだけではなかなかわかりません。
ここ数作、このような作品が続いているので、昔のようなフレーズや香りを感じるとホッとします。