日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」は11日、東京都内で執行委員会を開き、今夏の参院選比例代表で、民主党公認で出馬予定の新人、安藤高夫氏(51)の推薦を決めた。すでに決めていた自民党現職の西島英利氏(62)への推薦は取り消し、支援に格下げした。日医新会長に「親民主派」の原中勝征氏が選出されたことを受け、方針を転換した。自民党の有力支持組織だった日医連の決定は参院選に大きな影響を与えそうだ。

 各都道府県医師連盟からは10日までに安藤、西島両氏のほか、みんなの党現職の清水鴻一郎氏(64)の推薦があった。執行委員会では最終決定を委員長一任とし、原中氏が最終判断を下した。原中氏は執行委員会後の記者会見で「規約上、推薦候補は1人。日医の思いを実現するためには政権政党との関係を考えないといけない」と述べ、安藤氏推薦の理由を説明した。

 安藤氏推薦の決定に民主党の石井一選挙対策委員長は首相官邸で記者団に「政権与党と日医の関係がスムーズでなければ国民の健康は守れない」と歓迎の意向を示した。

 民主党側の狙いは、日医から自民党側に人とカネが流れるルートを遮断すること。当初は両氏とも推薦しないよう原中氏側に求めていた。しかし、両氏とも推薦しない場合、日医連としての存在感が薄れる懸念があった。また、関係者によれば、約20の地方組織が西島氏を推しており、これを撤回すれば組織内にしこりが残るのは必至。このため、地方組織の判断で西島氏の応援も認めることで安藤氏の推薦を確保した格好だ。

 ただ、会見に同席した藤川謙二常任執行委員は「中央の考えも踏まえて活動していただけるようになると思う」と述べ、安藤氏への支持の広がりに期待感を示した。

 これに対し、西島氏は毎日新聞の取材に「全国に支援を呼び掛け、応援してくれる仲間を増やしていきたい」と出馬の意思に変わりないことを強調した。

 事実上、地方組織を奪い合う構図だが、日医の集票力は年々、落ちており、07年には推薦候補が1人でも落選している。ある参院自民党幹部は「相当、厳しくなった」ともらした。【鈴木直】

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