先週、お茶の先生に決めて頂いた色無地の染め替えの色が決まり、いよいよ京都の呉服屋さんへ送らねばならないのに・・・なかなかその決断(送る作業に手を付ける)が出来ない・・・。
祖母が、お茶会のお点前専用に特別に誂えた『美しい地模様のある無地のエンジ色の一つ紋』
赤の色が強くて、先生からは私の年齢では少し無理がある、との事で染め替えとなった。
天国で母が聞いたら・・・「実家に私のお茶の着物があるのに
と、地団駄踏んで泣き叫んでいるだろう・・・しかし、母が愛した息子(弟)が『全て我が家の家宝だから母の着物も茶道具その他一切渡せないし、誰にも使わせない。』と言っている限り、母の『見えない遺産』を引き継いだ事だけに感謝しつつ・・・自力で再生するしかない。無駄なお金のようだが・・・母の志を継ぐためには仕方が無い。
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『表千家・茶道の道』に再び戻らなければ、この様な余計なお金を使うことは無かったであろう・・・しかし、2019年の『夫の罪滅ぼしツアー』中の京都社寺巡りの茶室で『罪の意識』に襲われ、大好きな『茶室や茶道具』を見ることも入ることも苦痛だった私。
その罪の意識から解放されて、安心して茶室や茶道具、茶庭や路地を観賞したい・・・と言うのが『茶道』を復活した理由である。ただそれだけの理由だったのに、身に付いているお点前が茶人の目を引いてしまった・・・。
①本当にコレから茶道を続け、年金暮らしの私が莫大な仕立て直しする費用を払ってまで、更に深入りするつもりなのか?という問いが、染め直しに着物を送り出す手を止める。
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もう一つ、送り出す手が進まない理由がある。
②あの頃、祖母が私を想って、白生地から染めてくれた『この色を、失いたく無い‼️』という未練の気持ちである。
私は、祖母が49歳の時に産まれた初孫である。和ダンスの中の着物は、丁度祖母が、まさしく現在の私と同じ年齢の頃に作ったものばかりである。
祖母がどんな気持ちで、孫の成長を楽しみながら、これらの着物を用意して行ったのか?・・・それを祖父はどういう気持ちで見守っていたのか?それらを想起すると、いかに自分が大きな愛の中で育っていたのかが、今更ながらに迫って来る。
色を染め替え仕立て直すことは、私にとって祖母そのものを染め替える事と同じ・・・しかし、この着物に関しては、祖母から「年齢と共に染め替える』よう指示されていたし、祖母の意向でもある。
今回は、祖母の願い通りに年齢に合った色に染め替える事になった事は、祖母の意向に添い、本来実家の紋を入れた地模様のある色無地着物の役割でもある。
物を生かす(活かす)という事は、断捨離で言うところの『愛
』だと言う。ただ保管しているのは、人間の欲だとまで言う。
物は使ってこそ、本来の用途に生かす事こそ物の本来の姿であり、価値なんだと言う柳宗悦著『茶と美』ー講談社学術文庫ーに、繰り返し書かれている。
私も全く同意するが、いよいよ解体となると・・・心が騒ぐ・・・。
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今日は、お茶のお稽古。
早く着物を送っておかなければ、ご紹介いただいたお稽古先輩の顔が立ちません。
ウダウダと悩んでいましたが、エイヤッと裄が5分長かった長襦袢の仕立て直しと、羽織の袖丈直しも入れてお稽古へ行く途中、送ってしまいました。
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そんな迷いの中で、時間遅れとなったお稽古・・・フト午後に三井ホームの工事屋さんと約束をしていたことを思い出し、慌てて帰宅。
三井ホームさんに40分もお待たせした、どーしようもないわたし。
ジュータンの色やコンセントの位置、追加工事の依頼等を済ませ、迷いの中で長ーい1日が終わりました。




