放射線で特に危険といわれるのがアルファ線(ヘリウム原子核)とベータ線(電子線)である。放出エネルギーが高いからである。ところがガンマ線と異なり、この二つの放射線は数ミリメーターも飛べばエネルギーがほとんど失われるため、外部被爆ではよほどのことがない限り問題にはならない。しかし内部被爆となれば話は別だ。放射性物質が直接、人体内部の臓器に付着するため、臓器の組織細胞に損傷を与える。損傷を与えるとは、組織細胞の原子をイオン化して原子どうしの結合を断ち切るということである。

さらに問題なのは、放射線の人体に対するダメージを論じる時、体全体に均一に放射線を受けるという前提に立つ点である。放射性物質から出る放射線の線量や線量率といった基準値がまさにそれである。ところが内部被爆では、臓器のわずかな局所的組織に対して集中的にアルファ線やベータ線がダメージを与えることになる。

したがって内部被爆の場合、以上のような預託実効線量を算出してもそれほど意味があるとは思えない。研究者によっては、実質的な影響は一般的に考えられている内部被爆の影響の何万倍とも何億倍ともいわれている。それだけに内部被爆とは、いまだ解明されていない事象である。というよりも、放射線が人体に与える影響自体がほとんど謎のままなのである。ガイガーカウンター

放射能汚染の初期に問題になる半減期の短い放射性ヨウ素も、後半に問題になる半減期の長い放射性セシウムも、どちらもベータ線を放出する。チェルノブイリ原発事故後の報告でも、この二つは問題になっている。

臓器に多少損傷が起き、結合原子どうしが離れたとしても、再度元に戻るのが人体の機能である。しかし集中的に損傷を受けた場合、原子が元のように結合しようとするものの、おかしな結合の仕方をして、それが癌細胞へと進展することになる。

ガイガーカウンター が放射能を測定することができます。