今日から早7月になりますが、以前このブログで靴の会社が運営するお店の業績についてちらっと触れました。

以前のブログ

6月が終わるまであと8日間、という時点で書いたブログだったのですが、昨日でいよいよ6月の営業も終了して結果が出てきました。

その結果は…

無事目標達成!!!

お店では販売員が毎日お客様のために接客して少しでも喜んで(満足して)帰ってもらおうと接客し、本社ではお客様に魅力的な商品を選んでいただけるよう、靴はもちろんのことカバン、靴下と様々な商品を仕入れてお店に供給し、、、

そんな事業部のメンバーが1つのチームとして一丸となってお客様のために動いた結果、一つの基準をクリアすることができました。

今回達成した目標の数値は、この基準をクリアすれば直営店を運営する事業部単体で黒字化できる(=企業全体としても利益が出て再成長を狙う位置につくことができる)、という水準なのですが、今年の2月から新しい期(1年)が始まって以来初めて到達することができました。

とはいえ、今日から既に新しい月。
本格的なセールの期間が始まっており、お店では販売員たちが一生懸命接客にあたってくれています。
一息もつく暇なく、このテンションと勢いを維持していかないといけません。

私が経営に参画して数ヶ月。
やったことは2つだけ。

お店から本社まで、社員全員が「お客様に満足してもらうために何をすべきか。何をすれば良いか」を自分で考え、それを行動に移し、結果を受け止めて良ければ継続(再現)し、結果が思わしくなければすぐに修正して次の行動をとること。
この姿勢と行動を徹底して推奨しました。

そしてもうひとつは、徹底して情報や意思決定の過程をガラス張りにしたこと。
「なぜこのような打ち手を行う必要があるのか」「どういう理由で決めたのか」
これらを逐次社内で共有し、意見を出してもらい、どんどんと意思決定して行動に移していきました。
もちろん、時には社員間で意見が対立したり、迷うこともありますが、そんな時は必ず"原理原則"に則って判断(意思決定)し、それを全員に伝えてきました。

(お店)
「うち(レシピエという直営店)はカジュアルテイストの靴は揃っているけど、きれいめの靴は少ないので、お客様が減っているんです。」

(私)
「うちがお客様に対して提案できていない価格帯、テイストのカテゴリーがあるならば、それはお店(小売)としてお客様の選択肢を狭めていることになります。お客様のニーズを満たしていないことになるので、仕入れられるならば他社から商品を仕入れましょう。なければ新ブランドを作りましょう。(販売員たちに向けて)どんな商品が良いですか?」

とお店から「あったら売れるこんな靴」という切り口で集めた商品イメージを具現化したのが、昨年秋に1ヶ月で立ち上げた新ブランド「aloor(アルーア)」

(お店)
「もっとお店にレインブーツが欲しい!」
「スニーカーのようなシューズを(お客様に)求められる」
「▲▲(ブランド名)のサンダルがないか、とお客様によく聞かれる」

と聞けばすぐに他社から該当する商品を仕入れたり、自社で供給できる商品を追加生産する

(お店)
「F(ブランド名)は全く売れていません。もともとファンの方は固定的(比較的少数)ではあったのですが、17,000円と高いせいか、年々買われなくなってきています」

と聞けば、
(私)
「だったら動いていないデザインの靴は価格を下げましょう。」

(お店)
「え?でもまだ5月ですよ。」

(私)
「別に売れない商品をセールの時期まで待って下げるよりも、「もうちょっと値段が下がれば今欲しい」と言っていただけるお客様に買っていただいた方がお互いハッピーじゃないですか。どれくらい値段が下がれば買っていただけますか?」

(お店)
「そうですね。大体F(ブランド名)を買うかどうか迷われているお客様が希望される価格帯が2割引きくらいですね」

(私)
「ではまず売れていないデザインの靴を全店一律で20%引きで提供しましょう。もしそれでも売れなければまだ"割高"だと思われているという意味なので段階的に30%引きにしましょう。これで売れればプライシング(値段付け)自体が今のお客さんのニーズに合っていないから修正していかないといけない、ということです」

といった感じで、やり取りはこれだけです。
なので、私はあまり何もしていません。笑
やり取りを見ていただければ、必ず私のセリフの最後が質問で終わっているのに気がつくと思います。

社員一人一人が考えたことを行動に移すことをただただ邪魔しないように(笑)しただけです。
最初は
「え?本当にやるんですか?」と引き気味だった社員も、自分の口にしたことが実行に移されて結果(お客さまからの評価)として跳ね返ってくることにだんだんと面白みとやりがいを感じてもらえるようになってきたのではないか、と感じています。

小売(サービス)業は、「一人ひとりがお客様のことを思い、真剣に考えて、即座に実行に移す」
これができればどんなお店でも良くならないはずがありません。

まだまだやっと1ヶ月目標を達成しただけなので、まったく浮かれられる状況ではありませんが、まずは一つ結果を出してくれた皆の姿勢と意欲を持続できるよう、引き続き黒子として頑張って行きたいと思います。