商談でやりとりさせていただいた新進気鋭のカフェ運営会社C社のTさん、Gさんからお菓子をいただきました。

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お菓子の正体は「星のチュロス」。
ピンと来ない方は、ディズニーランドで売っているチュロスと聞けば「あ~、あれか!」
と分かるのではないでしょうか。

聞けば「チュロス」という言葉は商標登録されていて、このお菓子を作っている石川県にある能登製菓さんしか使えないとのこと。

私たちは日ごろ、この手の(ねじれた)形状をしたお菓子を「チュロス」という言葉で分類しているような憶えがありますが、そう言われてみればミスタードーナツでは「ハニーチュロ」だし、その他の商品も微妙にワードが異なっていることに気がつきます!(普段意識しないですよね!?)

つまり、能登製菓さんこそ名実共にチュロスの代表選手!

実はこれはブランディングやマーケティングといった面から見ると、とてもすごいことなんです。

規模は違うにせよ「コーラ」のように商品名が、他社の類似品含めて同じ分類に属する商品の総称として私たちの日常生活の中で使われるということは、通常相当な金額をかけて広告宣伝やPRをしないと実現できません。

そのような意味では能登製菓さんのチュロスが、今では年間2,700万人(2008年。2パーク合算)東京ディズニーリゾートの名物菓子だからこその結果と言えるでしょう。

そのような点から考えると、能登製菓さんの潜在的な成長性はかなり大きいのではないか、と推察できます。

私自身、アイスからガム、アメまで幅広く手がける国内の大手菓子メーカーの再生を手がけたことがありますが、菓子事業の成功の鍵は、いかに個別の商品をブランディングし、他の商品と差別化する事でスーパーやコンビニなど"売り場"の棚、スペースを獲るか(扱ってもらうか)です。

もちろん、消費者の認知度、購買意欲に結びつかなければ、いかに売り場を占拠してもすぐさま撤去されてしまいます(大型のスーパーでは数ヶ月、コンビニでは僅か1週間で売れ行きに応じて商品をバッサリと入れ替えます!)が、消費者に買ってもらうためにはまず目に触れないとどうしようもありません。

通常はお菓子が最も買われている場所として、スーパーやコンビニ、お土産向けのお菓子はターミナル駅や空港、土産物屋の売り場で扱ってもらえるよう、あの手この手で営業をかけるのですが、能登製菓さんはこれをディズニーランドという、メディア(媒体)としても最高の売り場で商品を提供してきた、という訳です。

「星のチュロス」という商品名は元の「チュロス」という名称を活用して冒頭のC社がお手伝いしてつけた(冒頭写真のパッケージもC社案)、ということですが、いずれにせよ商品自体のリパッケージは終えたとのことなので、あとはマーケティングと販路開拓を進めて行けば、売上向上の余地は大きいと思いますが。。

さて、能登製菓さんはどうするでしょうか。。

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