もう昨年のことになりますが、オープンしたてのアバクロ(銀座)です。

$SHOE SHINE BLOG (山田政弘のブログ)

TVでもかなり取り上げられていたのでご存じの方も多いかと思いますが、店内に入るとロビーで上半身裸にデニムを履いたマッチョな白人男性がパフォーマンスをしていて女性の目をクギづけにします。笑

そして照明を落とした店内ではノリノリの音楽が大音量でかかり、イケメン&カワイイ男性/女性店員がリズムに合わせて踊っている。。
まさにアメリカのアバクロと同じテイストなのですが。

ウォルマートのような、資本主義の権化のような(規模のメリットと効率性を追求した)業態を開発する一方、こういった、とても遊びに満ちていて「飛んだ」発想で業態をつくりこむことができる点にアメリカという国が持つ幅の広さとポテンシャルを感じます。

一方、「出る杭は打たれる」風潮が根強い日本ではこのような個性豊かな業態が生まれるのでしょうか?
グローバルの視点で見た場合、業種、業界によってステージや競争の度合いは異なりますが、ビジネスにおいて競争上の優位を確立するための要素の一つとして、ますますクリエイティビティが重要になってきているように感じます。(特に成熟産業)

規模の論理では(自動車等一部の産業を除き)すでにグローバル化を積極的に推し進めている欧米企業の後塵を拝してしまいますし、高度成長期に日本のお家芸だった低コスト競争では東南アジアなどに勝てません。

携帯型音楽プレイヤーという、先進国では一時飽和したかに見えた市場に、ビジネスモデルの改革(CDから配信へ。クリック一つで音楽を移行)とデザイン性であっという間にリーダーとなったiPod(apple)の例を見ても、ますますビジネスモデル、プロダクトデザイン両方においてクリエイティビティが必要になっていますね。

思えば、今でこそ当たり前になったポートフォリオ経営という概念をラグジュアリーブランド業界で初めて実践し、買収と新規ブランドの育成を折り重ねてリーディングカンパニーとなったLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)もビジネスモデルとプロダクトデザイン両面でクリエイティビティを発揮した会社ですね。

当たり前ですが、クリエイティビティは人からしか生まれません。
両社ともスティーブ・ジョブス、ベルナール・アルノーというリーダー(経営者)がいたからこそ実現できた(もちろん、周りにいる優秀なスタッフがいなければ実現はしませんが)がいたからこそ実現できた偉業だと言えるでしょう。

日本ではいまだ松下幸之助や井深大、本田宗一郎の名前を聞くことが多いですが、我々の世代においても方を並べるような人材を輩出できなければ、閉そく感漂う日本の現状を打破できませんね。

もちろん私もそうですが、「誰かがやってくれるだろう」ではなく、一人ひとりがそこを目指して日々研鑽していくことが重要なのですが。。