消化器内科のエキスパート、東海大学医学部付属東京病院の西崎泰弘副院長が説明する。
「膵臓腫瘍は悪性の『膵臓がん』であることが多い。膵臓は手前に胃や十二指腸、小腸があり、それらの臓器の中の空気によって腹部超音波検査の視界は遮られ、早期の膵臓がんは見つかりにくく、進行した状態で発見されるのが一般的」
全身のがんを調べることが可能なPET-CT検査なら早期に発見も可能だが、受診施設は限られ費用も割高。血液検査による腫瘍マーカー「CA19-9」の値が高いと膵臓がんも疑われるが、精密検査を受けたときには進行がんということもしばしばという。
早期に腫瘍が見つかった三津五郎は幸運だった。ただ、もし腫瘍ががんだった場合、早期発見&早期治療でも安心できない。西崎副院長は「膵臓がんには早期がんの概念はありません」と話す。
「例えば胃がんには早期がんがありますが、膵臓がんの場合は、ステージI期であっても、進行がんI期とのとらえ方をするのです。血管や腹膜など周囲の臓器に広がりやすく、治療を行っても予後はあまり良くないのです」(西崎副院長)
全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2013年3月集計)によれば、早期がんともいうべき膵臓がんの病期Iの3年生存率は42・3%。II期は17・8%とガクンと下がる。通常、がんの生存率は5年で示されるのだが、膵臓がんは3年生存率で示されるほど状況は厳しい。しかし、病期Iであれば治る道は残されている。
「当院でも、健診でI期の段階で膵臓がんが見つかり、手術による治療で克服された方は何人もいます。確かに治療が難しいですが、早く見つけて治療をすれば予後を改善することは可能」(西崎副院長)
膵臓がんは、糖尿病、肥満、喫煙などがリスクファクターといわれる。しかし、原因がわからずにある日突然、検査で見つかることも珍しくない。三津五郎は、この50年病気の入院がなかったとコメントしていたが、丈夫な体を過信することなく健康診断を受けたのが早期発見の幸運をもたらした。その幸運の恩恵を治療にも生かし、復活の舞台に立つ日をファンは待っている。
(この記事はエンタメ総合(夕刊フジ)から引用させて頂きました)