窓をあけた車は、丘に向い、運河にそって走る。
なんだか、ちょっとウキウキした。
月あかりが照らしだす、細くて、くねくねと曲がった道。
静かにアクセルを踏みながら、ゆっくりと車を走らせた。
夜の10時をまわっているのに、なぜか太陽の気配を感じる。
原始のタブーを受け入れた状態のまま、ここに生きる植物。
息づかいまで聞こえてきそうだ。
窓から妖精でも入ってきたのか、なんども甘い花の香りがした。
…ちょいの間一点をみつめ、目を閉じた瞬間、まぶたに残っている景色。
記憶の、残像の中にいるようだった。
丘の上のブロック塀は、
地中から噴きだした溶岩の石を重ねてつくられていた。
月をゆらゆらとちりばめた海。
金属のような光りを放つ星群。
ひろい風を運ぶ山。
そのすべてを宇宙空間のような蒼い色がふちどっていた。
大きく息を吸いこんで…眼下の町。
家々の灯も、木製の電柱も、公園の芝生も、同じ色。
産まれたての鼓動、遠い声、絶え間ない進化の過程、
生活の灯は、一色だった。
満たされるべき、ちからのほとんどすべては
こんな無意識なところにあったのだ。
なんだか、ちょっとウキウキした。
月あかりが照らしだす、細くて、くねくねと曲がった道。
静かにアクセルを踏みながら、ゆっくりと車を走らせた。
夜の10時をまわっているのに、なぜか太陽の気配を感じる。
原始のタブーを受け入れた状態のまま、ここに生きる植物。
息づかいまで聞こえてきそうだ。
窓から妖精でも入ってきたのか、なんども甘い花の香りがした。
…ちょいの間一点をみつめ、目を閉じた瞬間、まぶたに残っている景色。
記憶の、残像の中にいるようだった。
丘の上のブロック塀は、
地中から噴きだした溶岩の石を重ねてつくられていた。
月をゆらゆらとちりばめた海。
金属のような光りを放つ星群。
ひろい風を運ぶ山。
そのすべてを宇宙空間のような蒼い色がふちどっていた。
大きく息を吸いこんで…眼下の町。
家々の灯も、木製の電柱も、公園の芝生も、同じ色。
産まれたての鼓動、遠い声、絶え間ない進化の過程、
生活の灯は、一色だった。
満たされるべき、ちからのほとんどすべては
こんな無意識なところにあったのだ。