「はっ…僕の勝ちですね」
「くそっ…」
アレンが、桐也の首に手を当てた。
『…そこまで。
桐也、今日はボロボロだしもういいよ。
私との組み手はまた明日』
「わかりました」
『リナリーに部屋まで案内してもらって。
多分科学班のところにいるから』
「朝月様は?」
『私は…もうひとり手のかかる人の面倒をみなきゃならないから』
ちらっとアレンを見る。
「…アレン・ウォーカー」
「…なんです?」
桐也とアレンが睨み合う。
「次は負けないからな」
「…望むところですよ」
桐也は、リナリーを探して去って行った。
「ライバル出現さ~♪」
『…ラビ、楽しそうだね』
「え、だって楽しくね?」
「楽しいわけないでしょ?」
アレンが真っ黒な笑みでラビの肩に手を置いた。
——思いっきり力を込めて。
「いだだッ!!」
「え?(黒)」
「す、すんませんでした!!」
「…ウォーカー。
そろそろ書類をお願いします」
「またですか…」
『ほら行くよアレン』
渋々、アレンは朝月と共に書類に向かった。
それかは毎日、桐也は朝月にべったりだった。
朝月も師匠となった今、何かと桐也の世話をしている。
†
「…………」
それが気に喰わないアレンは不機嫌な顔をしていた。
「アレン、酷い顔さ」
「だって、リンクのせいで少なかった二人の時間がますますなくなって…」
「私のせいですか」
「やっぱ桐也って朝月のこと好きなんかな?」
「…知らないよ。
でも、ただ慕ってるだけには見えない…けど」
視線の先には、笑い合う朝月と桐也。
「仕方ねーさ。
朝月だって久しぶりに知ってる奴に会って嬉しいんだろうし」
「…それは、わかってますよ」
わかってる。
朝月がたまに寂しそうにしてたこと。
遠い空を見上げた、彼女の視線の先にあるもの。
朝月はこの世界に残ることを選んでくれた。
けど、それにはどれほどの覚悟が必要だったのか。
わかってるつもりだった。
「…………」
でも、桐也と話してる彼女を見てると、思い知らされる。
僕と彼女は、住む世界が違うんだって。
「はああ…」
「あ、二人がこっち来るさ」
大きくため息をついたアレンに、朝月が近寄った。
『どうしたのアレン?』
「ただの自己嫌悪さ~」
『は?』
†
首を傾げる朝月。
「どうせくだらないことですよ。
朝月様、行きましょう」
『桐也、そんな風に言わないで。
アレンは仲間でしょ』
「…申し訳ありません」
朝月に窘められ、桐也は不服そうに頭を下げた。
「相変わらず朝月にだけは素直さ」
『…桐也、今日はもう好きにしていい』
「なんだかんだで朝月はアレンに甘いよなー」
『黙れ兎斬るぞ。
…アレン、行こう』
「…はい」
去っていく朝月様を、黙って見つめる桐也。
「……アレン・ウォーカー…せいぜい待っているがいい」
我が主に、その首を取られる日を———
END
夢小説をメインとしていますので、不快感を覚えた方は見ない方がよろしいかと…
感想はいつでもお待ちしています!
