気まぐれ小説 | じゃすとどぅーいっと!

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破顔の契り



「京次郎さん。」


「何じゃ?」


「私も、真っ白い粉運びます。」


その言葉に、京次郎さんはキョトンとした顔でこっちを見遣った。



籍を入れる時に、


「お前は“魔死呂威組の組長”と一緒になるんじゃのうて、“中村京次郎”と一緒になるんじゃ。じゃけぇ、組の仕事には手ぇ出さんでいいけぇの。」


と言われていた。


そんな風に想ってもらえる事は、すごく嬉しかった。


言葉通り、一緒に暮らすようになってからのこの一ヶ月。

私は、一通りの家事と、舎弟さんたちのご飯作りしかしていない。


だけど・・・本当にこれだけでいいのだろうか。

私だけ甘えっぱなしでいいのだろうか。


京次郎さんが、零さない様にと大切に抱えている物の中に私が一緒になって入ってしまったら・・・一体、誰が京次郎さんを支えていくの?

私が一緒に抱えてあげなくちゃいけないんじゃないの?



「どうしたんじゃ、急に?」


「私も、組の仕事を手伝います。」


「せんでいいと言っとったじゃろ?」


「でも・・・手伝いたいんです。」


「・・・ダメじゃ。お前にはやらせん。」


「私だって、京次郎さんの力になりたい・・・」



非力な事はわかっている。

足手まといになる事もわかっている。


それでも・・・京次郎さんを助ける立派な支えになりたい。



俯いた私に、「はぁ・・・」と溜息をついた後、手をグッと引かれ抱き寄せられた。


京次郎さんの腕の中は温かくて、すごく安心する。

だから、ついそれに甘えてしまいそうになる自分がいる。



「のう?」


「・・・何ですか?」


「お前には組の仕事なんかよりも、もっと重要な役目があるじゃろ?」


「重要な・・・役目?」


「ずっとワシの隣で笑っとる事じゃ。」


「京次郎さん・・・」


背中に手を回し首元に顔を埋めると、頭をポンポンと撫でてくれる。


「ワシはお前の笑顔が見たいから頑張っとるんじゃ。もちろん、組の連中にも笑っとってほしい。そしたら、ワシも笑っていられるけぇの。」


零れ落ちそうになる涙を、必死に堪えた。


「笑顔でいて欲しい」と言う京次郎さんの想いを、無下にはしたくないし・・・

私自身も笑顔でいたいと思ったから。



「・・・そうじゃ。一つだけ、お前にしか出来ん仕事があるのう。」


不意の言葉に顔を上げると、京次郎さんはニヤっと笑った。


「大事な跡取りを産んでもらわんと・・・のう?」


「っ・・・!」


「ははは!冗談じゃ!」


「きょ、京次郎さん!からかわないでください!」


赤く染まった頬を隠しながら抗議すると、スッと顔が近づいてきた。


「跡取りになるかどうかは、本人が決めればいいけぇの。」


優しく笑った京次郎さんを見て、「あぁ、この人はいい父親になるんだろうな・・・」と思った。


「じゃけぇ・・・まずは下準備じゃ!」


「ぅわ!ちょっと待って・・・!」



そう言いつつも、私は、


「大きくなったら、俺も立派なくみちょーになる!」


なんて言う男の子が産まれるのか・・・


それとも、


「大きくなったら、パパのおよめさんになる!」


なんて言う女の子が産まれるのか・・・


一足先に、これからの未来の事を想像して幸せな気持ちに満たされるのだった。



                                       ~完~



―――――――――――――――――――――――――――――――――


―あとがき―


「お前にしちゃ珍しく短編じゃねぇか。」

・・・と思われた方もいらっしゃるかと思います。


実はコレ、前に書いた京次郎小説王者の風格 の、最初に考えていた終わり方だったりするんですw


書いていくうちに、「アレで終わった方が締まるかな・・・」とか思って、あんな風に終わったんですが。

結局どっちがよかったのかはわかりませんwww←


続編と言うか、後日談としてうpしようかと思ったんだけど・・・

今回は、あえて別ストーリーとして書いてみました。


だから、コレはさとちゃんじゃありませんw

さとちゃんはもうちょっと攻めるタイプと言うか何と言うかww

EROにも若干ノリ気な感じですんでwww


極妻として生きるのがさとちゃん。

妻として生きるのが、この子・・・みたいなw


どっちにしても、京次郎が旦那だなんて羨ましいなコノヤロー。←


今後もしさとちゃんと京次郎の話を書く機会があるとすれば・・・

ガッツリEROを押し出してみようと思います(´∀`)←オイ


アメブロじゃうp出来ないような感じでいくお(^ω^)←ヤメレ



ちなみに自分は、京次郎にはトコトン甘えたいです( ´艸`)←聞いてない

そして、たまに甘えられたいw


辰馬だと、逆にトコトン甘えられたいw

ウザイくらいwww

んで、たまに甘えたいw


そんな正反対な感じですw←だから、聞いてない



特にコレと言って甘さもなく、面白みとかもないですがw

京次郎ってこんな人じゃないか・・・と言う、自分の勝手な妄想から生まれた産物ですwww


組の仕事ともなると、色々と無茶をしそうなんだけれども、

仕事以外の時はトコトン他人に甘そうwww


そんなところが好k(ry←はいはい


彼にはどちらかと言えば、男の子供が似合いそうな気がしてなりませんw

子供の頃の京次郎にそっくりだと、軽く吐血しそうな勢いwww


京次郎に負けず、気の強い子だといいなぁ・・・w

「俺がママを護る!」とか言われちゃったらぶふぉっ!(鼻血)


京次郎パパと、ママの取り合いとかすればいいよwww

「○○はワシのもんじゃけぇ、お前にはやらんけぇの」とか大人気なく言えばいいじゃない!←さっちゃん?



あぁぁ・・・妄想乙!←


兎にも角にも、京次郎は家族(組員さんも含めて)を大事にする人間だと僕は思いました。