Mさんの勤める会社では、毎年1回、大きなイベントを主催しています。
広場内に出展ブースが並び、来場者を楽しませる様々な催しも開催されます。
Mさんは、今年からそのイベントの実行委員を務めました。当日は、多くの来場者があり、事故もなく、役目を果たしたことにホッとしました。
イベントには、前に実行委員だった先輩も、様子を見に来てくれました。
終了後、駅まで先輩を送ろうとタクシーを止めると、「歩いて帰る」と言います。
「来場者がまだ帰る途中ですから、歩きづらいですよ。タクシーで行きましょう。」とMさんが言うと、先輩はこう言いました。
「いや、タクシーは使わないよ。お客様と一緒に歩いて帰ろう。どんな話をしているか聞いて、その空気を感じるんだ。」
先輩と並んで、歩いて駅に向かうみちすがら、「楽しかったね」という声と共に、「並び方の列が整理されていない」という声も聞こえました。
イベントを終えた心地よい安堵感と共に、気を引き締めたMさんです。
今日の心がけ◆生の反響を聞きましょう
【引用:職場の教養 2月号】
生の声ってなかなか聞けないですよね。
生の声で大切なのは、良かった事より悪かった事へご指摘いただく声です。
なかなかお客様は相当悪かった事以外は声にされません。
声にされずに去っていかれます。
WEBで「無言の声」で検索してみました。
そうすると、あの有名な『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(著:岩崎夏海)がヒットしました。
第3話「みなみは人の強みを生かそうとした!」
・『顧客の関心はどこにあるか』
顧客は自からが求めるもの、必要とするもの、期待するものにしか関心を寄せない。顧客の関心は、この製品あるいは企業は自分に何をしてくれるかである。
Pドラッカー
<抜粋>マネージャーの川島みなみは、「マネジメント」の「消費者運動こそが顧客の求めているものを表している」という理論から、部員が練習をサボるのは、「練習のメニューが面白くない」という野球部員の無言の声だ、つまり練習内容の改革が必要だと気づく。
人は全てを声を出して伝えてくれるものではありません。
心と違う声が聞こえて来る時もあります。
相手の行動により無言の声を読み取る。
それが出来ないのであれば、声が聞ける機会を逃さない。
生の声を聞いたら必ず次に生かす。
これらはとても大切な事だと思います。
ありがとうございました。