「ショットが寄らなかった。難しい風、グリーンが速い中で、うまくラウンドできなかった」(古江彩佳)

 

米女子ゴルフツアー「HSBC女子」世界選手権」最終日。 「アジアのメジャー」と言われるこの大会は、主力メンバーが集まるトーナメントの一つでもある。

 

単独トップで最終組を回った古江彩佳プロ。一昨年のルーキーイヤーでは、トップと4打差の9位ながらスコアを伸ばし、最終日に大逆転で優勝した「スコットランドオープン」に続くツアー2勝目を狙った。しかし、そう簡単には思ったようなゴルフをさせてくれない。

 

やはり単独トップで最終組で回り、そのまま「優勝」というのは、かなりのプレッシャーがかかるようだ。プレーの途中の古江プロの表情を見ても、いつもの淡々としたプレーぶりとは違い、ショットやパットが思い通りにいかない時は、悔しさが表情に表れていた。当然ピンを狙って攻めるわけだが、ミスしてボギーを叩いて簡単に首位を譲るわけにはいかない・・・ということでどうしても安全策?を取らざるをえないのだろう。

 

ショットにしてもパットにしても、何故かボールに「生命力」というか、力がないように感じた。いつもならボールが生き物のように転がりカップインする・・あるいは入らないまでもカップを舐めるようなアノいつもの転がりは影を潜めているように思うのは気のせいだろうか。

 

やはり、ゴルフは「守り」に入ってはいけない。攻めるときは攻め、守るときは守るといったメリハリが「勝つ」ためには必要なのだろう。古江プロは、10メートルくらいのロングパットを沈めることがよくあるが、最終日にはそれがなかった。後から追いかけるセリーヌブティエが7,8メートルのパットを沈め単独トップに立った。結局、6,7メートルのパットを決められるかどうかが、「勝負の分かれ目」だったように思う。

 

それでも我慢してノーボギーで回っていた古江プロだが、14番パー4で80センチにつけ待望の初バーディー、これで波に乗れるかと思われたのもつかの間、続く15番ショートホールでクラブに迷い、手前のバンカーにつかまる。(それも目玉)このツキの無さで寄らず入らずのボギー。これが大きかった。

 

しかし、16番ロングホール、17番短いショートホールと比較的やさしいホールが続く。

 

優勝したハナグリーンは16,17,18と三連続バーディーを奪取。(18番などは決して易しいパットではなかった。)このバーディーラッシュは見事だった。上がり3ホールが勝負の分かれ目だったのだ。

 

これに対し、古江プロは16番でピンによらず、17番では3メートル弱のバーディーチャンスに付けるも、これが入らず2メートル以上もオーバーする。いくら強めにバーディーを狙ったとは言え、2メートル以上もオーバーするなど普段は考えられない。返しもカップに蹴られ、バーディーチャンスからボギー。これで「万事休す」

 

古江プロは、難しい18番。右ラフからのセカンドショットは、グリーンをころがり奥のバンカーへ。ピンも奥なので絶対に入れてはいけないバンカーだ。ピンを狙ったのか、一度では出ず、結局ダブルボギーで終えた。優勝したハナグリーンとは「対照的」な上がり3ホールだった。

 

終わってみれば、古江プロは8位タイに甘んじた。次回からの「リベンジ」に期待したい。

 

一方で、最終日に6アンダー66のビッグスコアで回った西村優菜プロは3位タイで終了。大健闘を見せた。最終日はいつものキャディーさんが体調不良ということで、急遽渋野日向子プロのキャディーのジョンベネット氏がバッグを担いだ。彼は古くは横峯さくらプロのキャディーさんをやっていたので日本人選手にはお馴染み?のキャディーさんだ。

 

エースの畑岡奈紗プロも今週は「粘り」を見せた(3位タイ)。アイアン、パター(チャンバー製のマレットタイプ。シャフトはストレートで基本的には今まで使用していたものと似ている)も変えて臨んだが、今のところ「好結果」に繋がっているようだ。

 

また本人がいつも口癖のように言う「トップの位置が低い・・・」「アプローチが課題・・・」だが、今回アプローチでパーを拾うことも多かったようだ。トップの位置については、ドライバーはアップライトに上がり、ほんの少し浅くなったように感じたのだが(つまりヘッドが飛球方向をささず空に向いているイメージだ)。

 

来週からは、日本人選手がより多く参戦してくるようなので頑張ってもらいたい。(来週のブルーベイ(中国)は、畑岡、笹生両選手は不参加)