久しぶりのゴルフ観戦。「伊藤園レディーストーナメント」を見た。

 

試合会場に足を運んだのは春に行われたメジャーの「サロンパスカップ」以来、今年2度目となる。

 

去年、おととしと無観客で行われた「伊藤園レディース」だが、自身3年ぶりの試合観戦。

 

「グレートアイランド」初日は絶好のゴルフ観戦日和だ。ギャラリーも多く盛況だ。

 

この会場は、ホールも分かりやすく観戦しやすい。

 

JR「茂原駅」から送迎バスで約30分・・・会場までやけに長く感じた。(こんなに遠かったっけ・・・)

 

今回は、アマチュアの馬場咲希選手や好調の川崎春花プロのプレーを見たかったし、ほんの2,3年で女子プロゴルフ界の勢力図が変わってしまったので?どの選手を見たらいいか迷ってしまう。新しい選手がどんどん出て来て上位争いをしてくれると、増々試合が面白くなる。

 

春先絶好調で初優勝してからは、あれよあれよという間に勝ち続けた西郷真央プロも夏場の前あたりから失速気味。ここへきて調子がもどってきつつあるが、春先のような勢いはない。

 

西郷プロというと、私が「サロンパスカップ」を観戦した時あたりから、調子が下り坂でショットもパットも精彩がなく、11オーバーで予選落ち。さすがに表情も暗く、元気なく下を向くことが多かった。しかし、西郷プロは2週間後の「ブリヂストンレディース」で今季5勝目を達成している。

 

ゴルフというスポーツは「好調」と「不調」の波が激しい。(勿論、個人差はある)

 

さて、伊藤園最終日。優勝争いは、ベテラン上田桃子、年間女王を狙う山下美夢有、まだ未勝利の岸部桃子プロら3人に絞られた。この日は風も強く、後半には雨もパラついた。終盤まで上田桃子プロがスコアを伸ばせず「我慢」のゴルフ。岸部プロも山下プロもしっかりと後を着いていく。しかし、16番で桃子プロがショットを乱す。先週の「TOTOジャパンクラシック」でもそうだったが終盤になると崩れる傾向がある。こういったことは、去年の終盤あたりから見られた。上位争いしている終盤にショットを乱し、特に最終18番に崩れる印象がある。桃子プロのショット、パットの乱れは「技術的」なことより「精神的」なものによると思われる。勝ち方を知っている桃子プロだが、ベテランになると先を読んでしまうのだろう。勝つことの難しさを痛いほど解っている。また「これを逃すと優勝のチャンスはもう来ないかもしれない」などと、余計なプレッシャーをかけて自分自身を追い込んでしまうのかもしれない。

 

一方、若い時は余計なことを考えないで、イケイケのプラス思考。おそらく物事をシンプルに捉えていた。仮に今週だめでも来週がんばろう・・・みたいな。

 

桃子プロは16番のボギーパットを惜しくも外し、17番の絶好のバーディーチャンスも逃し、極め付きは18番の6メートルのバーディーチャンスに、なんと70センチもショート。本来ならば、入らないにしてもカップを70センチ位オーバーするくらいのパットを「打たなければならない」のだ。 18番のショートしたパットが桃子プロの「精神状態」をあらわしていた。

「たられば」だが、このパットが入ってバーディーとしていたら、2メートルのパーパットを残した山下プロのパットは入らなかったかもしれないし、「3人のプレーオフ」の可能性もあった。

 

しかし、この2メートルのパーパットを沈めてしまうのが山下プロの現在の「強さ」なのだ。結果的に2位にわずか1ストローク差での優勝だが、逆に私には山下プロのベテランのような「したたかさ」を感じたのだ。

 

山下プロの優勝で、最年少での「年間女王」が決定した。奇しくも、それまでの「最年少賞金女王の記録保持者」の上田桃子プロの目の前で達成したのも何かの因縁か。

 

山下プロというと、今年の中盤あたりから見違えるように強くなった気がする。「知らないうちにスピン量が少なくなったことに気づき、スピン量を多くする打ち方をして」からゴルフの内容が良くなったようだ。

 

彼女は、2年前スイングや弾道の計測器を300万円で購入したそうだ。データをもとにショットの精度を高め、フェースの角度の違うドライバーをコースに応じて使い分けている。

 

春先絶好調だった西郷プロは今季5勝を挙げているが、試合によって好不調があるのに対し、今季4勝の山下プロは調子の波がそれほど大きくなく、常に安定感のあるゴルフをしていることが、今季の年間女王に繋がったことは言うまでもない。

 

 

「伊藤園レディース」初日の18番ホール左に大きな池がある名物ホール