前代未聞の出来事

 

女子ゴルフツアー「アースモンダミンカップ」初日。第一ラウンドで大西葵プロの帯同の大江順一キャディーが、ラウンド途中でキャディーを放棄。途中で帰ってしまうという前代未聞の出来事があった。

 

前半17番ミドルホールでの出来事。大西プロはセカンドショットをシャンクしてボールが右サイドの赤杭エリアに入ったため、ワンペナルティーを払って4打目を打つことになった。どこから4打目を打つかで意見が対立。大江キャディーは打った地点まで戻り、元の場所から打つことを進言。大西プロは赤杭エリアの境界線を横切った地点へボールをドロップして打つことを望んだ。

 

これで二人の意見が対立。この時点で切れた大江キャディーは、大西キャディーのキャディーバッグをそのまま放置した。18番のティーイングランドに上がっても大きな怒声をあげていた大江キャディーに、大西は「もうやめてください」と涙の抗議。

 

結局、大西プロの石井コーチがキャディーを数ホールを担当、その後テーラーメイドのクラブ担当者がバッグをかつぎ、二日目の今日も同担当者がキャディーを務めたという。

 

大江キャディーというと思い出すのは、藤田光里のキャディーとして初優勝した時のキャディーさんだ。まあ、この時もいろいろと「話題」を提供したものだ。その後、あるトーナメントのプロアマ戦で、藤田プロと大江キャディーと「口論」をしていると同組を一緒に回る同伴者からクレームが入り、騒動にもなったことがあったが、二人は「喧嘩ではない」と否定していた。

いずれにしても、このキャディーさんは「トラブルメーカー」といった印象がある。

キャディーはあくまでもプレーヤーに雇われている立場なわけで、自分の意見を選手に強制できるものではないし、最後は選手の決断によるものなのだ。

 

さて、本日二日目の大西葵プロは、暑さと強風の中、1オーバーの73でまわり、トータル148の63位タイで見事予選を通過した。

 

大西プロというと、以前は兄の大西翔太氏がキャディーをしていたが、兄妹で喧嘩が絶えず、葵プロと仲の良い青木瀬玲奈プロのキャディーと交換トレードを決行。青木プロはティーチングプロでもある、大西翔太氏の助言で「スイング改造」。見事「吉」とでた。課題だった飛距離不足も解消し、その後初優勝。現在はトッププロの一人として活躍。大西翔太キャディー兼コーチとの出会いでゴルファーとしての運命が大きく変わった選手。

 

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さて、同じ予選通過でも「姉妹」の話。

 

堀奈津佳プロは、今日2日目、3オーバーの75でまわりトータル146の40位タイで決勝ラウンド進出。今日の強風の中でアンダーパーはわずか3人。そんな中での3オーバーは悪くない。妹の琴音プロも同じく75のトータル147の56位タイで姉妹揃っての予選通過。「ブリヂストンレディース」「ニチレイレディース」に続き姉妹揃っての予選通過だ。

 

妹の琴音プロは、去年復活の初優勝があり、今季は早くも2勝目を飾った。そして今度は姉の奈津佳プロの復活が望まれるが、一時の大スランプからすれば、別人のようだ。「完全復活」とは言えないまでも、かなり状態が良くなっているのは間違いない。

 

3月にブログ「逃げ切り優勝」でも書いたが、奈津佳プロが、「ヨコハマタイヤレディース」二日目に69で回ったことを書いたが、60台は7年ぶりのことだった。この時、やはり既に復調の気配はあったのだ。

 

私は、5月の「ブリヂストン~」を二日目に観戦したのだが、堀奈津佳プロのプレーを数ホール付いて回った。やはり調子は戻りつつあるのは明らかだった。ただ、ボギーを打った時はティーショットを左に曲げていた。この時は、左に林があったので、出すだけ、あるいはフルスイングできずにレイアップ。スリーオンし。4,5メートルのパーパットをショートしてボギーといったパターンだった。この時点では「予選通過」にはまだ余裕があった?ので無理にパーを取りに行っていないように見えた。多分予選は通過するだろうと思い、私は別の組に付いた。稲見萌寧、渋野日向子、渡邉彩香プロのスリーサムも付いて回った。渋野プロは久しぶりの凱旋ということもあって大勢のギャラリーに囲まれた。残念ながら予選落ちという結果に終わったが、この人は切り替えが早いので、また上位で活躍してくれるだろう。

 

堀奈津佳プロの今週のキャディーは、2人3脚で復活を目指してきたコーチの井上透氏がバッグを担いでいるという。

 

堀姉妹同士の優勝争いが見られるのは、それほど遠くないかもしれない。