「幸せいっぱいです・・・って何か結婚会見みたいですね・・・・」 (堀琴音)

 

女子ゴルフツアー「Tポイント×ENEOSトーナメント」で、昨年の「日本ハムレディース」以来のツアー2勝目を飾った直後の堀琴音プロのコメント。

前回の優勝は2打差を追う展開。それを追いつき「プレーオフ」での決着だった。今回は単独トップで最終日を迎えたプロ入り初めての経験。

 

単独トップとはいえ、2位とは1打の僅差。当然のことながら、追う展開よりも逃げて勝つ方がプレッシャーとの戦いもあり難しいだろう。

 

プロ野球などでは、大差を付けて勝つチームは弱いチーム。競り合って1点差で勝つのは強いチーム。などと言われているが、今日の琴音プロのゴルフは1打差の僅差での「逃げ切りの勝利」。

 

正に「強い勝ち方」だった。

 

途中、19歳のルーキーの内田ことこプロに逆転を許すも、15番のOBで首位から転落。

 

それでも好調の西村優菜プロと葭葉ルミプロがスコアを伸ばし3人がトップに並び、ますます先の読めない展開に・・・

ましてTVは「生中継」だ。 (笑)

 

そんな中で、琴音プロが16番ロングの3打目でピン下1,5メートルに付けるバーディーチャンス。計算通りのショットだろう。

ここはカップのやや左から決めバーディーで9アンダーとし、一歩抜け出した。

 

しかし余談は許さない。続く17番ショートホールはクラブの選択にも迷うところ。

 

琴音プロは9番アイアン?で攻めた。当たりがやや薄かったせいかグリーン手前のバンカーをやっと超えたところだがグリーンには乗らず。

(バンカーに入らなくてよかった。)そこからのアプローチはピンを2メートル弱オーバーする。

 

このパーパットが入るか、外すかで優勝の行方が決まる。所謂「クラッチパット」

 

アドレスに入ると突然風が強く吹いた。ここではアドレスを一旦外し「間を取った」。大溝キャディーさんから何か声が飛んだ。琴音プロもこれにうなずく様に「仕切り直し」。この間合いが好結果を生んだのかもしれない。

 

ボールはカップど真ん中に吸い込まれた。思わずガッツポーズが出た。「優勝」をグッと引き寄せたパットだった。

 

ところで、今回のキャディーを務めた大溝氏には2014年からバッグを担いでもらっているそうだ。大溝氏は、小平智プロはじめ、片山晋呉、福島晃子プロはじめ多くのゴルファーのバッグを担いでいるベテランキャディーだ。小平智プロがアメリカツアーで初優勝した時のキャディーとしても知られる。今年の米ツアー「ペブルビーチプロアマ」でも大溝氏がキャディーを務めた。

 

琴音プロの初優勝時は、ハウスキャディーさんと優勝を分かち合った。

 

「大溝キャディーと勝ちたかった。お母さんと同い年。30歳も年上なのに、すごく謙虚で選手第一。大好きです。20年の「NEC軽井沢」では初期の胃がんが判りながらバッグを担いでくれた。」 (堀琴音) 彼女は2週間後、北海道の病院で手術を受けた大溝氏を見舞っている。

 

さて、今回の優勝で堀姉妹で合わせて4勝(2勝ずつ)となったわけだが、お姉さんの奈津佳プロも今回の試合に出場しているが残念ながら予選落ち。先週の「明治安田生命~ヨコハマタイヤレディース」でも予選落ちをしている。初日12番ホールだけで6オーバーが影響しブービー。

ところが、2日目はなんと4バーディー1ボギーの69で回っているのだ。奈津佳プロの60台を調べると、2015年の「Tポイントレディース」の初日に66を出し、トップに立って以来となる。この年、奈津佳プロは30試合に出場しているが60台はこの一度だけである。

 

奈津佳プロにも、先週の60台で何か「キッカケ」なるようなものを掴んでくれることを望む。

 

また、今週2位タイと健闘した葭葉ルミプロも先週のトップ10に続き好調持続のようだ。彼女がまだツアー1勝しかしていないというのも不思議だ。3,4勝していてもおかしくない実力の持ち主だと思う。現在、彼女はスイング改造中とのこと。それが今のところ好結果に繋がっているようだ。スイングを見ると、以前はテイクバックしてトップの位置が頭の方まで「かぶっていた」。が、今回はテイクバックでクラブの軌道がプレーンに沿って回っているように見える。本来「飛ばし屋」が陥りやすいオーバースイングをトップでコンパクトに収まるように「改造」しているのかもしれない。