「想像以上のプレーができた。本当にうれしい。14番から優勝争いへ加わり、強い気持ちで戦えたと思います。コニカミノルタ杯では、緊張したけど、スコアを意識しすぎたことが反省材料。また、どちらかというと、守りのプレーだったかもしれない。あの試合後、次に最終日、最終組でプレーした時は、攻めるーと誓った。きょうはマネジメントだけではなく、気持ちのコントロールもうまくできたと思います。(西村優菜)
女子ゴルフツアー「樋口久子三菱電機レディースゴルフトーナメント」最終日。ルーキーの西村優菜プロがトップと6打差でスタート。8バーディー1ボギーの65のベストスコアを出し猛追、16番ホールで並び18番ロングホールでバーディーを奪い、前日までのトップの勝みなみプロを大逆転して初優勝を飾った。古江彩佳プロに続くプラチナ世代2人目。20歳でのツアー優勝者となった。
身長150センチと小柄な西村プロだが、プレー中は大きく見える・・・
西村プロは、TV中継が始まった14番でバーディーを奪い、トップを走る勝みなみプロと2打差と迫り、俄然、優勝争いが混沌としてきた。
私は、前半の9ホール終了時点では、このまま勝プロが逃げ切るものとばかり思っていたが、ゴルフは何が起こるかわからない。
勝プロは、前半ダブルボギーを叩きスコアを落としたが、9番ロングホールでチップインイーグルで息を吹き返し、スコアをイーヴンの10アンダーに戻した時は、このままトップを走るものと思っていた。
優勝した西村プロは後半はゾーンに入っていたようにショットがピタピタとピンにからんだ。一方、勝プロは、ショットが左右にブレだし、パーを拾うことに終始した。
結果論だが、勝プロはバックナインでバーディーをひとつも奪えなかったが、ひとつでもバーディーをとり、11アンダーにしておけば、西村プロの逆転はなかったかもしれない。
それにしても、今回のグリーンは固くて速かったようだ。50センチ程のパットを外すプロが結構いた。予選落ちの渋野日向子プロや最終18番ホールの申ジエプロもショートパットを外した。
今回のような速いグリーンは見ている者としては面白い。
渋野プロといえば、初日8番ホールでホールインワンを達成。しかし、この大会、ホールインワンを達成した選手は予選落ちするというジンクスがあるそうだが、彼女もジンクスを破れず予選落ちした。
久々に日本のツアーに戻った渋野プロだが、ゴルフが噛み合っていない。アプローチのミスあり、パットも決まらない。スイング的には、去年の全英女子オープン時と比べると、ドライバーのトップが浅く、テンポも速い。去年はバックスイングと、ダウンスイングの切り返しの一瞬の「間」があったが、今年はそれがなく、フォロースルーで煽っているような感じがある。
渋野プロは、最近は練習の殆どをアプローチに費やしていると聞いたが、逆にスイングに狂いが生じてしまったのかもしれない。もう一度、原点にもどって、スイングを見つめ直した方がいいのかも・・・・。そのほうが、かえってアプローチも良くなると思う。
もう一人、売り出し中のルーキー笹生優花プロも渋野プロと同じく5オーバーで予選落ちした。原因は分からないが、次回の試合までには、しっかり修正してくるものと思われる。
また、今週は山路晶、仲宗根澄香、金澤志奈プロなど好調な選手が4位タイに入った。女子プロゴルファーの勢力図が徐々に変わってきつつある。