百田尚樹の同名ベストセラー小説を、「V6」の岡田准一主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズを手がけてきた山崎貴監督のメガホンで映画化。司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物であることを知る。久蔵について調べ始めた2人は、祖父が凄腕のパイロットであり、生きることに強く執着した人物であったことを知る。そんな祖父がなぜ特攻に志願したのか。元戦友たちの証言から祖父の実像が明らかになっていき、やがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着く。健太郎を三浦春馬、久蔵の妻・松乃を井上真央が演じた。興行収入は87億6000万円の大ヒットとなり、第38回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞ほか8部門を受賞した。
2013年製作/144分/G/日本
配給:東宝
出典:映画.comより
永遠の0は、何度か観ている映画の一つだ。
今、もう一度、観て良かったと思う。
何が良かったのか?
それは、宮部久蔵という一人の男がなぜ生きることに強く執着したのか?
そのために、何をし続けていたのか?
なぜ、彼が特攻を志願したのか?
数年前に観たときには見落としていた部分が多くあり、
それを今、気づくことができたからだ。
宮部久蔵という一人の男を元戦友がそれぞれの主観で証言をするわけだが、
そこには、物事がそれぞれの立場の主観によって捉え方が変わり、解釈が異なる具体的な例であろう。
全ての事象は、観察者である僕たちの主観によって、意味づけも解釈も変わる。
情報が溢れ返っている今の時代に、宮部久蔵の生に対する在り方は見習う点が多いと僕は思った。
今回、観直したことで、宮部久蔵がなぜ特攻へ志願したのか。
その理由が腑に落ちた。
僕たち日本人の強みというのは、他者のために自らの命を差し出せる勇気を持っていることだろう。
誰だって、死ぬのは怖いはずだ。
それはどんな教育を受けようがどの時代も大差はないと思う。
特攻隊や回天(人間魚雷)は、想像するだけでも怖い。
けれども僕たち日本人のご先祖様はそれをやった。
特攻や回天については、賛否が分かれている。
実際のところ正義は僕にはわからないけれど、
事実は、未来の日本のために多くの若者が命を賭け、命を落としたこと。
戦況が圧倒的に不利であっても最後まで諦めずに抗う。
日本人は、強い信念を持っていたと思う。
この映画には、三浦春馬さんが出演している。
彼がどんな想いや気持ちで演じていたのかを想像すると、とても感慨深い。