GIA G.Gコースは26週間のプログラムになっており
ダイヤモンド約2か月
カラーストーン約3か月
総合約1か月
で構成される。
卒業までにいくつかの課題があり
それらを合格しながら先に進んでいく。
仮に途中課題につまづいて落第しても、
数か月後に入学した次のクラスに編入となる。
学費は正直安くはないので語学の苦手な留学生にとってはありがたくもある。
※実際1名途中で落第し、次のクラスへ編入していった。同様に前のクラスから落第して途中から私のクラスに編入してきた者もいた。
半年ほどで主要な宝石について全て頭に詰め込む事になる為、
欠席は命取り。
体調など崩している暇は無い。
さて、卒業までに終わらせなければならない課題をざっと説明すると、
まず、1週間に一度のミニテスト。
このテストの内容はたまにひっかけの様な物もあるが、基本的には授業、教科書に沿った至って簡単な物。
あまり厳密では無かったように感じたが、
この累計点数で6割だったか7割を下回ると落第と言われていた。
大学時代に英語の教科書を嫌と言う程読んで来た私にとっては、正直
楽勝
そして、限られた授業時間の中でノルマをこなして行く鑑別/鑑定の実技課題。
授業には講義と実技とがあり
講義では教科書に沿って、宝石の歴史から、宝石の種類、各宝石の主要産地、鑑別/鑑定におけるポイントなどを学ぶ。
そして実技では大量に用意された宝石(1石ごとに個別梱包されている)の中からランダムで一つを選び
その鑑別/鑑定を行って行く。
終わったらすみやかに提出し、採点してもらいOKであれば次の石を選ぶ。
限られた時間これを繰り返す。
各自に顕微鏡が用意されており、それ以外の鑑別/鑑定機器も部屋の中に完備されている。
それらを駆使しながら期間内に規定数をこなさなければならない。
ひとつの石にあまり時間を掛け過ぎていると、
2か月経った頃には
その蓄積で提出数が足りなくなること請けあい♪
この石を見る作業にはかなりの個人差が有り、要領の良い者と悪い者でかなりの差が生まれる。
スピードだけでなく正確性が求められる作業ではあるが
正確さを求めるあまり慎重になりすぎる者より、割り切って考えられるタイプの方が進みは確実に早い。
何よりここはまだ仕事の現場ではなく学校。
間違いの許される、そして間違った分だけ学べる場。
少しぐらい間違っても数をたくさん見た方が良い。
期間中に規定数ギリギリをこなす者にくらべ、早い者は最終的に倍以上の差をつけていた。
※余談ながらここまで鑑別/鑑定と書いていた事に補足をすると
鑑別とはその石が何であるかを調べる作業であり、鑑定はその石の品質を調べる作業。
GIAでは主にダイヤモンドの鑑定とカラーストーンの鑑別を学ぶ事になる。
更に補足をすると
現代においてほぼ全世界共通でダイヤモンドの鑑定に用いられるグレーディングシステム
『4C』
と言う物を考案したのがこのGIA。
ダイヤモンドの4Cとは
Color(色)、Clarity(不純物の度合)、Cut(カット)、Carat weight(重量)の4つの頭文字を称して言う。
重量以外それぞれが等級分けされており、ダイヤモンドの美しさ、そして価値、価格を決定する重要な要素。
さて、冒頭にも書いた通りこのG.Gコースは、約2か月間ダイヤモンドを学ぶ事から始まる。
ダイヤモンド終了時にダイヤモンドの鑑定試験と筆記試験が有り、
続く3か月のカラーストーン終了時にもまた筆記試験、
そしてコース最終に宝石全般の鑑別最終試験(通称20ストーン)を受ける事となる。
課題が比較的多い事はともかく、我々にプレッシャーを与えるのが最終試験の合格点
それまでの試験は75%の正解率で合格になるが、
最終の鑑別実技試験だけは20石の鑑別を行い20石中20石
そう、100%的中で合格。
たった20石を見るには十分すぎる時間が与えられるが、
1問のミスで不合格となる為、試験直前の緊張感は
MAX状態
ただし、チャンスは5回。
5回が多いか少ないかは実力次第。
これらの全てを合格して晴れて卒業を迎えるのだが、果たして皆、無事卒業出来るのか・・・。