たたみかけるようにあたしをおいこんだあなた
これでもか これでもかと逃げ道すら作らないように
あたしをおいこんだ
逃げ道のない 容赦のない怒り
あたしは言葉を失った
なにを言っていいのか頭が真っ白になった
その晩 あたしはご飯を作っていた
キャベツをひたすら ただひたすら刻んでいた
どれだけの人間がだべるなんてかんがえもせず
ただ刻んでいた
心と一緒に
キャベツと心を刻みこんでいたあたし
気がつけばまな板は真っ赤にそまっていた
これ 赤いキャベツだったけ? ふと我に戻る
刻んでいたのはあたしの心と 指だった
刻んだ指の痛みにも 出血する赤い血にも気づかずに
それ以上にあたしの心は痛んでいた
刻んでも 刻んでも 涙が止まらない
真っ赤にそまったキャベツは誰も食べやしないというのに
あたしは心と一緒に 一晩中刻みまくった
ざくざくと音を立ててきれていくきゃべつ
ぎしぎしと音を立てて崩れていくあたし
何個刻めば
指の痛さにきがつくのかな
このキャベツ