天竜浜名湖鉄道の新所原駅はウナギのいい香りに包まれていた。2018年9月。
「いつも香りだけ嗅がせてもらってますのよ」というオバサンの隣で、沿線の冊子に目を通している。フリー乗車券を買うと貰えたのだ。
国鉄二俣線とは切り口が全く異なっている。時代は変わった。それに大脳がついていけずに戸惑っている。
ウナギの匂いだけを嗅いで発車。
花道を引き上げる力士のように草木が車両にタッチする。
浜名湖が姿を現す。待ってました、というよりは自然に。風も涼しい。
駅舎は古びているが白い装いに。夏の終わりの湖畔にはぴったりな感じ。
その尾奈の駅舎の横にウナギの形をした建物が。倉庫かと思ったら公衆トイレであった。
これは気になる。都筑駅はゾウ、東都筑駅はミカンの形をしていた。グルメは次回にして、今日は「出す」ほうに専念したいと思う。
浜名湖佐久米で下車した。湖畔の無人駅で風が心地よい。この駅の横にも、牛をデザインした公衆トイレがあった。
乳を搾るかわりにオシッコを搾り出す。豊橋駅で仕入れた缶ビールを飲み干し、オシッコを生産しなければならない。
頑張れ腎臓!

反対列車で東都筑に戻る。さっそくミカンを形取った公衆トイレでオシッコ。丸い形ゆえ、ちょっと狭い感じ。でも可愛い。
列車がトンネルから顔を出したので、さらに都筑へと戻る。

ゾウの公衆トイレが出迎えてくれる。ウンチをしたろか…と目論む。幸い人の気配がない。
さすがにゾウの中は広くて快適だ。
和式の水洗で、ウンチは臭いを嗅ぐ間もなく逃げてしまった。
次の列車で夕暮れの浜名湖畔を後にしたのであった。