サンジェルマン・デ・プレ
レオ・フェレ Léo Ferré
サンジェルマン・デ・プレと言えば、ミューズと呼ばれたジュリエット・グレコを思い浮かべる方も多いことだろう。
少し時代は遡るが、レオ・フェレもサンジェルマン・デ・プレとゆかりがある。第二次世界大戦終了後の1945年、彼は、リヴ・ゴーシュ(セーヌ左岸)のキャバレーに出演するようになった。Le Bœuf sur le toit や Quodlibet などだ。この頃が彼の本格的な音楽活動開始の時期だ。シャンソン作家そして歌手として生き残れるかの正念場だったとも言える。
1949年に彼は、「サンジェルマン・デ・プレ」という作品をアルバムに収録している。
ヴェルレーヌと毎晩会う約束をしている、時にはアポリネールと一緒になったりするとか、微笑んでいる男の人はラシーヌかヴァレリーかなど、と歌詞に書いている。
もちろん、時代が違うので、空想の中の出来事だ。
ベルエポック前後のサンジェルマン・デ・プレ、文化人たちが集まっていた時代を想像して書いている。
レオ・フェレがキャバレーで歌い始めた当時、サルトルやボーヴォワール、プレヴェールやコクトー、トリュフォーやゴダールたちがサンジェルマン・デ・プレに集まり始めていたが、彼らのことは書いていないところを見ると、レオ・フェレは彼らとはあまり交流が無かったものと思われる。