枯葉 Les feuilles mortes
秋になったら「枯葉」はよく歌われる。そんな「枯葉」だが、余り知られていないことがある。
実は、この歌はマレーネ・ディートリッヒのために書かれたシャンソンだったのだ。
これは、憶測で言っているのではない。
マレーネ・ディートリッヒ(Marlene Duetruch)の自伝"Life and Legend" に書かれていることだ。
Work proceeded on the project based on the ballet, now called Les Portes de la nuit, for which Prévert wrote a lyric to some music by Joseph Kosma.
They called it "Les Feuilles mortes," and it would become world famous under its English title, "Autumn Leaves,"
It is one of those songs that seems to have been written for Marlene because it was. That she never sang it, never could sing it...
要約すると...
ジャック・プレヴェールは、バレーの「夜の門」を映画化しようとして、その主題歌を自分の作詞、ジョセフ・コズマの作曲で作った。タイトルは、「枯葉」とした。この歌は、他の歌と同様にマレーネ・ディートリッヒのために書かれたのだが、彼女は一度も歌わなかったし、歌うこともできなかった。
マルセル・カルネとジャック・プレヴェールと言えば、「天上桟敷の人々」のコンビで有名だが、パリ解放後に、ジャン・ギャバンとマレーネ・ディートリッヒの共演で映画を作ろうとしていた。ディートリッヒは、ギャバンと映画をやりたかったが、プレヴェールの脚本が気に入らなかった。一方ギャバンは、デートリヒと一緒じゃないと作品には出ないと言い張った。
結局、この映画は、ジャン・ギャバンに代わりイヴ・モンタン、マレーネ・ディートリッヒに代わりナタリー・ナティエが主演し、ほとんどヒットせず、日本でも未公開となった。
映画は駄目だったが、シャンソン自体は素晴らしかったので、米国では英語版の Autumn Leaves としてヒットし、日本でもイヴ・モンタンの歌として大ヒットした。
もしマレーネ・ディートリッヒが歌っていたら...
それはそれで間違いなく世界的にヒットしたと思われる。