アニーとボンボン Les Sucettes

フランス・ギャル France Gall

 

この歌のタイトルは、フランス語で Les Sucettes だが、商品名で言えばチュッパチャップスのような棒付きのキャンディ(ボンボンと呼ばれる)のことである。

 

アニーという娘がそのボンボンを買って食べるという無邪気な可愛い歌というのが一つ目の表面上の意味だ。当時の若くてキュートなフランス・ギャルにピッタリなシャンソンと思えてしまう。

 

ところが、一つ忘れてはいけないのが、作詞したのがセルジュ・ゲンズブールだということだ。彼は一筋縄ではいかない。

この歌には、二つ目の隠された意味があって、このアニーがおしゃぶりする行為は、男性性器へのオーラル・セックス(フェラチオ)を彷彿させようとするものなのだ。「おしゃぶり大好き娘」なんて、エロ動画のタイトルになりそうで、かなり猥褻に聞こえてしまう。

 

フランス・ギャルは、歌っている時は、その裏の意味を知らなくて、後で知って非常に傷つき、二度とこの楽曲を唄うことはなかったと言う。