バラはあこがれ  

L'important c'est la rose

ジルベール・ベコー Gilbert Becaud

 

このシャンソンは、ベコーの十八番(おはこ)と言ってもよいかもしれないが、作詞は本人ではなく、政府高官と詩人の二足の草鞋を履いていたルイ・アマド(Louis Amade)である。

 

実は、この歌は、アマドがある公式会議で、治安維持部員(SP)がうっかり花壇から摘み取ってしまったバラを気遣うシーンを目撃したことから発想したものである。

そのシーンで、アマドには、「大事なのはバラなんだよ。」と最初に言葉が最初に浮かび、それにいろいろ付け足して詩として完成させたのだと言う。

 

ところで、アマドは、エディット・ピアフの紹介で1952年にベコーと知り合った。そして、彼はいくつもヒット作を書くことになった。この作品は、1966年に詩集に載ったポエムがベコーの目にとまり、彼がメロディを付けたものだ。まるで、ベコーが歌うために書かれたような、歯切れのよい、テンポのある詩で、生まれるべくして生まれたヒット曲のような気がする。