私の人生 C'est ma vie
アダモ Salvator Adamo
このシャンソン、C'est ma vie(私の人生)は、愛好家の間で人気があり、或る人などは、「数あるアダモの曲の中でこれが一番好き」とおっしゃる方もおられる。
日本語歌詞では、若い頃に出逢った男女が長年連れ添い、成熟した愛を築いていくような内容になっている。フランス語の原詞から、かなりデフォルメされてしまっている。
実は、この歌はアダモが歌手人生の覚悟を語る内容となっている。男女の関係を歌う風を装っているだけで、歌手である自分とファンとの関係を歌っている。
こんな風だ。
私は、歌から歌へ、私の心の秘密を恥知らずにも、あなた(ファン)に打ち明けてきた。
私の笑いや涙、雨や太陽、それらはあなた(ファン)に拠っている。
私は、あなた(ファン)に魅せられ、しょっちゅう感嘆したりするが、でも、時々あなた(ファン)は私を忘れる
舞台であなた(ファン)の前にいると、私はここが故郷だと思う。あなた(ファン)に抱かれて、私は心地よい。
そして、あなた(ファン)の前で私は自分でいることができる。
たくさん稼がせてもらったし、天に昇る気持ちも味わった。
これが私の人生だ。他にできることはない。
これが私の人生だ。地獄であり、天国でもある。
「たくさん稼がせてもらった」なんて、男女の関係を歌っているなら説明のつかない箇所も多く見られる。大変だけど、ファンとの関係を大切にして歌手で生きて行くと、自分で選んだ道を続けていく覚悟が語られている。