過ぎ去りし恋のあとには/ 残されし恋には

Que reste-t-il de nos amours ? 

シャルル・トレネ Charles Trénet

 

この歌は、シャルル・トレネのセルフカヴァーの前に、リュシエンヌ・ボワイエ(1942年)とローラン・ジェルボー(1943年)が歌っていた。あまり売れずに、シャルル・トレネが自らヒットさせている。

それから、かなり年月が経って、1957年にアメリカで作詞作曲家のアルバート・アスキュー・ビーチがフレンチソングからこの歌を選び出し、キーリー・スミスに "I wish you love" の題名でジャズアレンジで歌わせ、それがスタンダードになった。

だから、ジャズのボーカル・セッションで私がこの歌をフランス語で歌うと大変怪訝な顔をされることになる(笑)。

 

フランス語の歌詞の方は、自らの青春時代を想いだす、繊細でロマンチックで甘酸っぱい内容になっていて、ジャズのスウィートなリリックスとはかなり違っている。

まるで、パリのカフェで食するタルト・オ・ポムと、アメリカ中西部のドライブインで食べるアップル・パイくらいの違いがある。

日本のシャンソンのお店でもジャズ風に歌う歌手が時々おられるのが、それはジャズの店にして欲しい。

私は、郷愁を誘うシャルル・トレネの歌い方が好みだ。