Le ciel, le soleil et la mer 

空と太陽と海


 

これは、フランソワ・ドゥゲルト(François Deghelt)の1965年のヒット曲で、フランスでは夏の定番となっているが、日本ではそれほど歌われていない。

 

暗くて寒い冬が終わり春になると、若い男女は恋人を求めて活動を始める。そして、カップルになると夏のバカンスにどこへ行こうかと話し合う。

行先は、南仏とブルターニュが多いが、それは空と太陽と海を求めるからだ。

避暑のためにスイスの山小屋へ行く人もいないわけではないが、少数派だ。

若いカップルにはお金がない。だから、丸太小屋のような小さなロッジを借りて、自炊して過ごす。同じような境遇の若いカップルたちがビーチに集まって、音楽を聴いたり、踊ったりする。そんな様子が歌詞に描かれている。

 

でも、夏は短い。直ぐにパリに帰る日がやって来る。

9月になれば、空が曇り雨が降り続くことがある。

それでも、彼女の部屋でバカンスで二人で聴いていた曲を聴きながら、想い出に花を咲かすことはできる。

その時だけ、二人の前には、あの空と太陽と海が鮮やかに蘇るのだ。

これからも恋人でいよう。そして、また来年の夏、あの海に空と太陽を求めて出掛けよう。

そんな素朴な若者の気持ちを表現した爽やかなシャンソンだ。