太陽がいっぱい

Plein Soleil

 

1960年のルネ・クレマン監督の映画「太陽がいっぱい」(原題は Plein Soleil)で、アラン・ドロンは世界的大スターとなった。

私には一つ疑問がある。

アラン・ドロンには、良い映画は数多くあるのに、ご高齢の人に訊くと口を揃えて「太陽がいっぱい」と言うのは何故なのだろうか?

その要因の一つは、舞台が夏のイタリア、ローマとナポリや地中海の島々だという風光明媚な場所だからだろう。

そして、もう一つがニーノ・ロータの音楽だろうと思う。

 

ニーノ・ロータの曲に Max François という作詞家が歌詞をつけ、それを日本では永田文夫が訳詞して歌われているのだが、この歌をフランス人歌手が唄っているのを残念ながら一度も聞いたことがない。

日本のシャンソンの店で夏になると、「ひまわり」とともに定番となっているが、歌で披露されるのは日本独特だと思う。ヨーロッパであれば演奏だけだと思う。名画とシャンソンを結びつけようとする無茶ぶりを感じるのは私だけだろうか?